32 -From You, 2000 Years Ago- ページ33
《うおおおおぉぉぉぉぉぉーーーーーー！！！》
シガンシナ区の至る所で光玉が街を強く照らす。それはユーリの周囲でも見られた。
「くっそ……っ」
もう見ることはないと信じていた、街を蹂躙する巨人の姿。9年前と違うのは、4年前と違うのは、そこに住民がいないということだけ。まるで一昔前の壁外調査のようだ。
「おい…、何なんだよこれ……っ」
ユーリの隣でコニーが堪らず声を絞り出す。分かっていたことでも、いざ現実になれば目を背けたくなる。
「っ、音響弾は…っ！」
ユーリが咄嗟に叫ぶ。喧騒の中を必死で耳を澄ませるが——。
「っ……。聞こえません…っ」
コニーが絶望的な声音で言った。ジャンも自分の右腕に装備された雷槍に目を落とし、眉を曇らせた。
「っ……、ベンさん…っ」
「……クソっ」
ユーリの拳にも力がこもる。本部の方を見てみるが、結局肩を落とすだけだった。奇跡的に砦は無事なものの、広場や兵舎などが並ぶ比較的背の低い場所は、巨人の出現によって破壊されていた。
ユーリの目が無意識のうちに地下牢があるあたりを彷徨う。
「っ…………」
そこは皮肉にも最も建物の崩壊が酷く、何体かの巨人がすでに立ち上がろうとしていた。
あの中に……——っ。あと何度絶望すれば、終わるんだよ…っ。
「ぐっ…………」
でも、ここでただ茫然と立ち尽くしても何にもならない。
「ユーリさん！エレンがっ」
コニーの声に振り向くと、鎧がエレンと一体の無垢の巨人を押さえつけていた。
「っ…。ジャン！コニー！援護するぞ！！」
「「了解！！」」
部下たちの背中を追い、ユーリも立体機動で飛び立った。
強引でもいい。立てる膝は起こす。もう期待はしない。賭けに負けた。それだけだ。負けたことをくよくよしたって仕方ない。そんなこと、ルアナさんもベンも望んでない。
……あぁでもどうする。俺だけになっちゃったな。俺がこの状況を変えるとか、こんな地獄で副団長なんて——。
「重すぎんだろ……」
耳を切っていく風の音に、その呟きは誰にも拾われることはない。
ただ、気のせいか否か。ユーリの肩にずんと何かが乗っかって、立体機動が鈍くなった、……ような気がした。
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なぎさ(プロフ) - 何回も見返すほど大好きです！！更新楽しみにしてます！ (11月21日 13時) (
レス) @page33 id: 548ee16a42 (このIDを非表示/違反報告)
春花(プロフ) - こちらのシリーズとっても大好きでいつも更新を楽しみにしてます‼︎完結まで頑張ってください、完結まで応援させてください‼︎ (11月5日 16時) (レス) id: 27efe983cc (このIDを非表示/違反報告)
ああ - このシリーズ大好きですっ (10月11日 23時) (レス) @page11 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - ずっと応援します‼︎大好きです！ (10月10日 15時) (レス) @page11 id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - このシリーズマジで面白くて大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月9日 21時) (レス) @page1 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月2日 9時
