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「普通、壁が壊されたって聞いたらまず一番近くにいる上官に頼ると思うのよね。新兵なら特に。組織の形態とか、報告や指揮の序列とか、そんなの頭から吹っ飛ぶわよ普通。…きっと、私が新兵ならそうだったから」
ベンは彼女の言葉を遮ることなく、静かに耳を傾けた。
「でもあなたは真っ先にエルヴィンの元に走って、その足で私と分隊長にも伝えに行った。……本当にすごい子だなって思ったよ」
「そんな…。俺なんかいつも何かあると自分の気持ちのまま走って……」
思い出すのは四年前、初めて班員が欠けたあの壁外調査だ。目の前で尊敬していた先輩が殺され、やけになって女型に突っ込んで、今背中に乗っている彼女に投げ飛ばされた。
「それは情が生まれた相手に対してでしょう？」
「っ…………」
そんなの、誰だってそうなるよ。そう言うルアナの声の中にも同じ記憶が垣間見えた。
「でも、本当に最悪な状況になった時に冷静でいられるっていうのは簡単にできることじゃない。それを新兵上がりでできてたんだもの。これは鍛えがいがあるなって思った。ほら私、人を見る目だけは無条件に自信あるからさ」
笑って言うルアナ。さっきも本当に助けられたのよ、と話す彼女は、なんだか一昔前に戻ったように思えた。
「だから、あなたを班に入れたの。まああなたの自信の無さには心配になることもあったけどね」
「はは…、それは今もですよ」
「え〜、そうなの？」
苦笑するベンにルアナは笑って彼の横顔をチラリと見る。すぐ目線を前に戻したルアナが次に言葉を発した時には、彼女の声から揶揄いは消えていた。
「でももう、そんな心配はしてないよ。私が司令になってからは一度も」
ベンの口元が微かに緩む。
「だから、あなたは私の自慢の部下。」
今度こそ、ベンの耳が赤くなった。
「…ありがとうね。ずっとついてきてくれて」
ベンは思わず涙ぐんだ。
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なぎさ(プロフ) - 何回も見返すほど大好きです！！更新楽しみにしてます！ (11月21日 13時) (
レス) @page33 id: 548ee16a42 (このIDを非表示/違反報告)
春花(プロフ) - こちらのシリーズとっても大好きでいつも更新を楽しみにしてます‼︎完結まで頑張ってください、完結まで応援させてください‼︎ (11月5日 16時) (レス) id: 27efe983cc (このIDを非表示/違反報告)
ああ - このシリーズ大好きですっ (10月11日 23時) (レス) @page11 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - ずっと応援します‼︎大好きです！ (10月10日 15時) (レス) @page11 id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - このシリーズマジで面白くて大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月9日 21時) (レス) @page1 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月2日 9時
