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「あの、ルアナさん」
「ん…？」
ベンがよっ、とルアナを背負い直し、いつもと変わらぬ声音で言った。
「どうして俺だったんですか？」
「え…？」
「新兵上がりの俺を、どうして班に入れたんですか？」
外は発砲音が飛び交い、時々雷槍の爆撃音が混じって聞こえる。
「き、急だね…」
予想外のところから投げられた問いに、ルアナは思わずベンを見下ろした。
「そうでもないですよ。ずっと不思議だったんで。…俺、それまでルアナさんと関わりなかったじゃないですか。新兵の時はミケ分隊長のところだったし。だから急にルアナ班への異動を聞いた時は本気で『なんで？』って思ったんすよ」
前を向いたまま、まるで執務室で雑談をしているかのようにベンが軽く話すので、ルアナも何となくその空気に飲まれ、一気に副団長になった9年前まで記憶が遡った。
「一度だけ。一度だけ、その前に話したことあるんだよ」
「ぇ…、そんなことありましたっけ……」
「うん。それこそ私が副団長になったその日に」
ベンが思い出そうと斜め上を見上げる。うーんとしばらく記憶を掘り起こして、やっと一つの記憶に辿り着いた。
「副団長になった日って…、壁が壊された日」
「そう。あの日、私にその情報を伝えに来た兵士がいた。…それがあなただった」
『ほ、報告しますっ！シ、シガンシナ区外壁が壊され、巨人が壁の中に侵入しました！！』
『っ、！そんな、ことがあり得るわけ…。いや、——君、名前は』
『だ、第98期調査兵っ、ベン・ヴァイスマンです！！』
「え…、あれ俺だって覚えてたんすか？！」
「うん。そりゃあね」
そう言って得意げに笑うルアナに、ベンは小っ恥ずかしいやら何やらで頬を赤くした。そんなドタバタと落ち着きのなかった頃を覚えられていたと思うと、何だか親に兵服を着ているところを見られたような気分だった。
「あの時さ、」
ルアナは静かに言った。
「あんな、誰も本気では想定していなかったことを聞いて、真っ先にエルヴィンに報告したと言っていたでしょう？」
「え、…あぁ、はい」
確かにそんなような気もする、とベンは思った。正直なところ、あまりにテンパりすぎてよく覚えていないのだ。
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なぎさ(プロフ) - 何回も見返すほど大好きです！！更新楽しみにしてます！ (11月21日 13時) (
レス) @page33 id: 548ee16a42 (このIDを非表示/違反報告)
春花(プロフ) - こちらのシリーズとっても大好きでいつも更新を楽しみにしてます‼︎完結まで頑張ってください、完結まで応援させてください‼︎ (11月5日 16時) (レス) id: 27efe983cc (このIDを非表示/違反報告)
ああ - このシリーズ大好きですっ (10月11日 23時) (レス) @page11 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - ずっと応援します‼︎大好きです！ (10月10日 15時) (レス) @page11 id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - このシリーズマジで面白くて大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月9日 21時) (レス) @page1 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月2日 9時
