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「ぇ…、いや、なんで…っ」
全てを託して見送った腹心の部下が、目の前で若干呆れ顔で笑っている。
言葉を失った。目を疑った。それは決して嘘ではない。だが、もうこれは彼女に染みついた職業病ならぬ兵士病なのだろう。気付けば彼に向かって叫んでいた。
「何してるのっ…！」
彼はここにいてはならないのだ。優秀な兵士は今こんな薄暗い地下にいる場合ではないのだ。貴重な戦力をこんなところでウロウロさせられる余裕は、今の兵団にないのだ。
「行きなさいと命じたでし――」
「ルアナさん。」
余裕をなくし、焦って言葉を並べるルアナの肩をそっと掴み、ベンは優しく諭した。
「俺はあなたの副官です」
そう言ってルアナを見上げる彼の表情に、建前を並べる口は自然と閉ざされた。
「俺はあなたを補佐するのが仕事です。それをあなたが奪うんですか」
「っ…………」
何も言い返せない。
地下まで聞こえてくる地上の喧騒。それに似つかないほど落ち着いている彼の声と表情から、若手の頃の危うさは消えていた。
「それに、どうしてこんな時にいつもの無茶を言わないんですか。ルアナさんらしくないですよ」
そう言って笑うんだから。自分がどれだけ余裕をなくしていたのか、ルアナはやっと自覚した。
「どうしようもない時に無茶でどうにかしようとするのがルアナ・クライストでしょう。泣き寝入りなんて、そんなのあなたの意思じゃない。俺にはわかります。何年、あなたについていると思ってるんですか。」
「っ…………」
あぁ、そうか。もう、私が手を差し伸べなくても、みんな立ち上がれるんだ。むしろ、その手を必要としていたのは、私の方だった。
「ルアナさん。あなたに脚が無かろうと、これから向かうのが戦場だろうと関係ありません。兵長だって、生きてるんでしょう？」
「っ……！」
ルアナは皆を見送る最後、「きっとリヴァイも…、生きてる、
本当に確信していたら、語尾にそんな形容詞はつかないけれど、それでもわずかな可能性に縋りたいほどには、ルアナも諦めが悪かった。
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なぎさ(プロフ) - 何回も見返すほど大好きです！！更新楽しみにしてます！ (11月21日 13時) (
レス) @page33 id: 548ee16a42 (このIDを非表示/違反報告)
春花(プロフ) - こちらのシリーズとっても大好きでいつも更新を楽しみにしてます‼︎完結まで頑張ってください、完結まで応援させてください‼︎ (11月5日 16時) (レス) id: 27efe983cc (このIDを非表示/違反報告)
ああ - このシリーズ大好きですっ (10月11日 23時) (レス) @page11 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - ずっと応援します‼︎大好きです！ (10月10日 15時) (レス) @page11 id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - このシリーズマジで面白くて大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月9日 21時) (レス) @page1 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月2日 9時
