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「………ごめん。嫌なもの、見せちゃったね…」
そう小さく呟いたルアナ。まだ若干引き攣ってはいるものの、次に顔を上げた時にはいつもの彼女に戻っていた。
「ジャン、ありがとう。コニーも。それからユーリ、手を解きなさい。血が出てるわよ」
ルアナは小さく息を吐き、そっと右手で左の指輪に触れ、その目をアルミンに向けた。
「えっと…、イェレナはなんて言ってた？」
「…侵入者が、現れたと」
「侵入者……」
なんとなく指輪をくるくると回しながら、ルアナはやっと落ち着いた思考を巡らせた。
島に侵入者。恐らくマーレか。ということは敵襲か。たった一ヶ月——いや、侵入したのならもっと早くここに来ていたということだ。報告書にはエレンとアルミンがマーレの主要人と軍艦を沈めたとあったから、早々に襲撃してくるとは思ってなかったけど…。これは、まずいかもしれないな。
とにかく体制を整えないと、とルアナが口火を切ろうとしたその時、天井が揺れて砂埃が舞った。
「っ………」
「なんだ？」
そして低く響いた雄叫び。それは紛れもなく巨人になったエレンの声だった。
「……始まったんだ。巨人たちが……、動き出した…っ」
アルミンの震えた声に、ルアナもごくりと息を呑む。
また、始まってしまった。殺し合いが、また——。
とにかくどうにかしてみんなをここから出して、状況を把握しないことには。そうルアナが口を開きかけた時だった。
「ぁ……っ、ぐっ……！」
突然、あの痛みが両脚を駆け巡った。
ここ一年ほどは頻度も痛みも大分少なくなってきていた。ルアナ自身忘れそうになるくらいには、良くなっていたのだ。
それがこんなタイミングで、それも104期の子たちがいる前で、顔を取り繕う余裕も持てないほどの強い痛みで来るなんて。ルアナは強く右膝を握りしめた。
「ルアナさん……？」
こんな狭いところで、それなりの人がいる中で突然体を縮こませたら、気づかれないはずがない。皆の視線が自分に集まっていることに、ルアナだって気づいている。
でもイェレナによって落とされた爆弾も相まって、いつものように「大丈夫」と笑ってみせる余裕がなくて、ただこんな情けない顔を見せたくなくて。
心配そうに声をかけてくれる部下の言葉に答えられず、ルアナはとにかくこれ以上呻き声が漏れないように、唇を強く噛み締めるだけで精一杯だった。
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なぎさ(プロフ) - 何回も見返すほど大好きです！！更新楽しみにしてます！ (11月21日 13時) (
レス) @page33 id: 548ee16a42 (このIDを非表示/違反報告)
春花(プロフ) - こちらのシリーズとっても大好きでいつも更新を楽しみにしてます‼︎完結まで頑張ってください、完結まで応援させてください‼︎ (11月5日 16時) (レス) id: 27efe983cc (このIDを非表示/違反報告)
ああ - このシリーズ大好きですっ (10月11日 23時) (レス) @page11 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - ずっと応援します‼︎大好きです！ (10月10日 15時) (レス) @page11 id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - このシリーズマジで面白くて大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月9日 21時) (レス) @page1 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月2日 9時
