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「ルアナさんは、どうするんですか」
先とは違って落ち着いた声でジャンが問う。
ルアナはほんの少しだけ目を伏せて言った。
「私はこんな状態だから、ここで待ってる。何かあっても地下ならなんとかなるから」
そう答えた彼女に、皆が顔を曇らせるが、当の彼女はそれを小さく笑った。
「もう…、そんな顔しないの。あなたたちにはあなたたちにしかできないことがあって、私にもきっとそれはある。それに、きっとリヴァイも…、生きてる、はず。……だから、頼んだよ。みんな」
ここに留まるなんて許さない。言葉の裏のそれを汲み取るのに、なんの難しいことはない。
それにいち早く気づいたのは意外にもミカサだった。
四年前、初めての壁外調査。帰還中に巨人が現れ、リヴァイを怪我させてしまったという負い目に、後列にいる自分が向かおうとした時。前から下がってきたルアナがミカサを止めてこう言った。
『ミカサ、あなたはまだ新兵。私の指示を聞きなさい』
彼女だってミカサがリヴァイに次いで強いことは知っていたはず。それでも、新兵だと言って行かせてくれなかった。その時はどうしてと思ったが、今ならその意味がわかる。
守ってくれていたのだ。上官だからという理由だけでなく、これ以上自分で自分を傷つけないように。まだ、子供だから。
でも、今の言葉は紛れもなく、彼女がくれた全幅の信頼だ。
「ほら、行った行った。二人も早く行きなさい」
「ですがっ！」
「副団長が行かないでどうするの。私は大丈夫。だからみんなを助けてやって」
「っ…………」
「迷ってる時間はないよ」
これ以上ここに留まることをルアナは一切許さなかった。
「っ……、行こう」
「…………」
ユーリとベンが駆け出し、それを合図にルアナ以外の全員が地下牢の階段を上がっていく。最後、アルミンの後に続いて足を進めようとしたミカサは一歩踏みとどまって彼女を振り返った。
「ルアナさん、」
「ん…？」
「……必ず、迎えにきます」
意外だったのか、ルアナが驚いたようにパチクリとミカサを見つめ返す。でも固まっていたのはほんの一瞬で、すぐにその顔を崩し、小さく笑い声を上げて手を振った。
「うん。待ってるね」
ミカサは小さく頷き、そして階段の中腹で待ってくれていたアルミンの後を追って駆け出した。
「……………」
彼女一人を、残して——。
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なぎさ(プロフ) - 何回も見返すほど大好きです！！更新楽しみにしてます！ (11月21日 13時) (
レス) @page33 id: 548ee16a42 (このIDを非表示/違反報告)
春花(プロフ) - こちらのシリーズとっても大好きでいつも更新を楽しみにしてます‼︎完結まで頑張ってください、完結まで応援させてください‼︎ (11月5日 16時) (レス) id: 27efe983cc (このIDを非表示/違反報告)
ああ - このシリーズ大好きですっ (10月11日 23時) (レス) @page11 id: 951a2a07c6 (このIDを非表示/違反報告)
愛 - ずっと応援します‼︎大好きです！ (10月10日 15時) (レス) @page11 id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
おむすび(プロフ) - このシリーズマジで面白くて大好きです！更新頑張ってください！応援してます！ (8月9日 21時) (レス) @page1 id: 5b99419290 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月2日 9時
