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街の中央まで入り込み、高所に立ったことでようやく彼女にも戦場の有り様が見えた。
立体機動を身につけた兵士はマーレ兵と銃撃戦、鎧と顎は進撃に近づこうとしているが、それを獣が妨害している。そして皆が注目する進撃の巨人は片足を引きずりながら獣の方へゆっくりと進んでいた。
ジークから聞いたことがある。これから起こる全てのことは、俺たち兄弟がしなければならないことなのだ、と。
そして最後に言葉を交わした時、こう言っていた。
『じゃあ、次の命令も覚えているね？この森を抜け、俺の弟エレンと合流だ。』
リヴァイの話から、エレン・イェーガーが進撃の巨人であることは当に合致している。つまりこの攻防の目的はジークとエレンの接触。
あぁ…、考えすぎて頭が痛い。だから、嫌なんだ。
「……ますますどっちかわからない」
妨害すべきか、死守すべきか。
ジークの駒ならば当然後者だろうが、彼女はどうしてもしたくなかった。ジークの思い通りにはなりなくなかった。
「……ヒゲ面、ね」
腹立たしげな顔でそう呼んでいた彼を思い出し、彼女の口角がほんのわずか上がる。だが、ジークを見上げる目元は硬い。その口角が元の位置に戻ったその時——。
バン——！！！
破裂するような、爆発するような大きな発砲音。一度瞬きをした次の瞬間、砲弾は獣の項を丸ごと抉り取った。
「っ………！」
ゆっくり、獣の巨体が前へ傾いていく。ゆっくり、ゆっくり……。
ドシーーン！！
重い衝撃音とともに足元が大きく揺れた。しばらく土煙で見えなかったが、少しずつ晴れていくと毛むくじゃらの物体が情けなく地に伸びているのが見えた。
「……………」
ほんの少しの痛快さとともに気が
四年も駒でいれば、ジークの考えることは大体読めてくる。戦の勝機を見出すとしたらここしかない。少しでも息の根があれば奴は確実に——。
「っ、………」
再び嫌な汗が背を伝った。
9 -Older Brother and Younger Brother-→←7 -Deception and Attack-
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ふゆ(プロフ) - めっちゃ引き込まれるお話ですね！！！ほんとに更新が楽しみです！ (12月2日 0時) (
レス) @page38 id: 484893ce06 (このIDを非表示/違反報告)
せい - 最近イッキミしたもので！最高しか言えません！！応援します！ (11月28日 4時) (レス) id: 9598d06351 (このIDを非表示/違反報告)
あい - とってもおもしろくて一つの物語として楽しんでいます。続きのお話が楽しみです！ (11月22日 19時) (レス) @page32 id: fbec67f27a (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ドキドキしながら読ませてもらいました。作者様のペースで良いのでこれからのお話も楽しみに待っています！！ (11月22日 17時) (レス) id: c807065baf (このIDを非表示/違反報告)
高橋 - 更新待ってます！！頑張ってください！！ (11月12日 17時) (レス) id: 2973651174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月1日 8時
