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二人が降り立つ頃には、雷槍が続々と運び込まれ、腕に自信のある主に中堅の兵士たちが装備を整えているところだった。先に到着していたユーリとミカサとも合流し、急いで雷槍装備を身につける。夕日が柔らかく彼らを照らした。
左にアルミンとミカサ、右にユーリが立った。眼下を見下ろす彼らの表情は険しい。そんな中、ユーリがジャンの肩を一つ叩いた。驚いてユーリを見返すと、彼は小さく頷いた。
「っ…、」
「………」
ジャンはぐっと眉間に力を入れた。
「同時にやるぞ！！」
自然な流れに思えた。
1つ、2つ、3つ数えて、砦にいる全兵士が一斉に飛び立つ。その直下には見慣れた顔つきの巨人が十数体。
「っ、撃てえぇぇぇ！！」
雷槍が矢の如く同時に放たれる。そして手に残ったワイヤーを思い切り引っ張れば、局所的なダメージを与えて爆発する。砦付近の温度が急上昇した。
手持ちの雷槍は各2本——右に1本、左に1本だ。それがなくなれば即座に砦へ退避し、再び雷槍を装備する。装備している僅かな時間に、ジャンは眼下の戦況を把握する。その二回目だった。
「っ…………」
隣に立つアルミンの僅かな動揺を感じ取り、その視線の先を追った時、ジャンの胸は再び閉塞感に襲われた。
「ピクシス司令…っ」
初めて会ったのは、あのトロスト区奪還作戦の時。エレンの巨人化を初めて目にしたあの時だ。
あれから四年。徹底して中立で、だが決して調査兵団を無碍に扱うことをしなかった、この島全土における軍事の最高責任者——ドッド・ピクシス。
動揺する二人の前をユーリが横切った。
「っ…、行こう。」
静かな声はその場の空気を再び引き締めた。アルミンとジャン、ミカサの顔つきが変わる。
もう彼らの間に合図は要らない。息をするように同時に飛び立ち、それは継承かの如く、ピクシスを葬ったのはアルミンだった。
どうか、安らかに。
ジャンもまた、雷槍を振り落とした。
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ふゆ(プロフ) - めっちゃ引き込まれるお話ですね！！！ほんとに更新が楽しみです！ (12月2日 0時) (
レス) @page38 id: 484893ce06 (このIDを非表示/違反報告)
せい - 最近イッキミしたもので！最高しか言えません！！応援します！ (11月28日 4時) (レス) id: 9598d06351 (このIDを非表示/違反報告)
あい - とってもおもしろくて一つの物語として楽しんでいます。続きのお話が楽しみです！ (11月22日 19時) (レス) @page32 id: fbec67f27a (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ドキドキしながら読ませてもらいました。作者様のペースで良いのでこれからのお話も楽しみに待っています！！ (11月22日 17時) (レス) id: c807065baf (このIDを非表示/違反報告)
高橋 - 更新待ってます！！頑張ってください！！ (11月12日 17時) (レス) id: 2973651174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月1日 8時
