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世界中のユミルの民がどこかへ引き込まれたように、彼女もまた同じ空間に横たわっていた。
ジークの叫びを聞いた途端、不快な感触が体を駆け巡り、流れるように巨人化。いつもなら理性を失うことはないが、ジークもこの場に彼女がいると思っていなかったのか、あるいは彼女の座標を特定できなかったのか、叫びによる強制力が散漫し、巨人の項の中で我を失った。
本能の赴くままに目の前の人間を鷲掴み、食い、握り潰した。意識はぼんやりと水の中を漂い沈んでいるようだった。
長くゆっくりとした流れの中、唐突に思考がクリアになった。と同時に視界を埋め尽くす銀色に鈍く光った空間と、頭に響く低く太い声。
聞いたことのない声。いや、どこかで聞いた声だ。
ここは、どこだろう。
砂、星、巨大樹。全てが鈍く光を放っている。
「んっ………」
体を起こす。あたりを見渡してみるが、景色は何ひとつ変わらない。素肌に触れる空気は、温かくもなければ冷たくもない。
ふと目線を下ろすと、傷一つない肌が見える。何も身につけていなかった。心臓の鼓動は感じないが、何かが脈打っているのは分かる。不思議な感覚だ。
もう一度目線を上げてみると、亜空間の中心に一際眩しく光を放つ樹木のようなものが見えた。初めて見るが、彼女はそれが何かを知っていた。
巨人の姿にさせられる度に感じていたもの——繋がりだ。
彼女は徐ろに立ち上がった。足は自然とそこへ引き寄せられた。身に纏うものがなくなり、身体は軽い。だが歩みが急くことはない。それが隠れも逃げもしないと分かっていた。導かれるようにただ歩いた。
「……………」
根本に着くのはあっという間だった。いや、いつまで経っても着かないようにも感じていたが、それは突然目の前にやって来たようにも思えた。
彼女の頭の遥か上まで光の筋が伸びている。綺麗だと思った。
もう一度周囲を見回してみた。人影はなく、砂も静かで風もない。時は止まっているようで、目に見えぬ速さで動いているようにも見える。時の流れが早いのか遅いのかもわからない。現実であって幻想のようなここは
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ふゆ(プロフ) - めっちゃ引き込まれるお話ですね！！！ほんとに更新が楽しみです！ (12月2日 0時) (
レス) @page38 id: 484893ce06 (このIDを非表示/違反報告)
せい - 最近イッキミしたもので！最高しか言えません！！応援します！ (11月28日 4時) (レス) id: 9598d06351 (このIDを非表示/違反報告)
あい - とってもおもしろくて一つの物語として楽しんでいます。続きのお話が楽しみです！ (11月22日 19時) (レス) @page32 id: fbec67f27a (このIDを非表示/違反報告)
夜桜(プロフ) - ドキドキしながら読ませてもらいました。作者様のペースで良いのでこれからのお話も楽しみに待っています！！ (11月22日 17時) (レス) id: c807065baf (このIDを非表示/違反報告)
高橋 - 更新待ってます！！頑張ってください！！ (11月12日 17時) (レス) id: 2973651174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年8月1日 8時
