6 -Dark Night Train- ページ9
半島の自治権を巡る戦争に4年も費やした挙句、敵艦隊とこちらの主力の巨人2体があわや刺し違える失態を演じた。人類の叡智はついにマーレの鎧を粉々に砕くに至った。
世界各国が勝利したマーレではなく、大国マーレの衰退を世に知らしめた中東連合国を称えた。
これがかの大国マーレの勝利と言えるのか。4年にわたる世界大戦は、人類が巨人の力を超える時がついに来たと、世界中に知らしめるに終わった。
巨人の力を主力戦とするマーレにとって、巨人の力が絶対でなくなった時が最後。諸外国が兵器開発に注力した結果、このような中途半端な勝利に終わったのである。
現時点で陸上戦においては無敵を誇る巨人の力も、ますます航空機が発展していけば、大地の悪魔たる巨人もただ空を見上げるほかなくなるのは目に見えている、というわけだ。
軍部会議ではもっぱらこれまでの巨人の力を絶対とする方針について物議を醸していた。
「…羽の生えた巨人はいなかったか」
マーレ軍元帥カルヴィは冗談とも本気とも言えない言葉をこぼした。
「ジーク、君が生み出したあの悪魔の巨人に羽は生やせなかったのか」
「あ、はは…。その考えは私にはなかったです、元帥殿」
ジークは困ったように頭をかいて笑った。
カルヴィは特に表情を変えることなく、「それはそうとて」と手を適当に振った。
「近い将来、我々は戦争の主導権を失う。いや、すでに遅れを取っておる。かつては悪魔エルディアを討ち取りし英雄の国マーレが、今やなんたることだ」
カルヴィは重く疲れ切ったため息を吐く。
ジークはここが機だと控えめに手を上げた。
「恐れながら、元帥殿」
あくまでジークはエルディアの人間。
「進言のご許可、賜りたく存じます」
英雄マーレ人の前では慎みと畏敬を持たなければならない。故に、自発的な発言にはマーレ側からの許可が必要だ。
「�犇丹曚了勠瓮検璽�よ、言ってみろ」
許可が下りるとジークはすっくと立ち上がり、カルヴィへ恐れのない自信に満ちた目を向けた。
「今こそ、パラディ島作戦を再開し、�犹倭弔竜霓有畸ゴ圓魑泙阿戮�です。」
ジークの進言に会議室が少しざわめく。彼は周囲の顔色を窺うことなく続けた。
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あんこもち(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。確かにマーレ急襲時にはスカーフを巻いていませんが、リヴァイはやはり通常時にはスカーフを巻いていることが多いのでそのように表現しております。分かりにくく申し訳ございません。 (11月19日 11時) (
レス) @page35 id: d1838a7b16 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 854年のリヴァイさんは最初の方だけスカーフをしていなかったと思いますが... (11月19日 0時) (レス) @page35 id: 633d257dbd (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 最高スギィ！もう毎朝学校行く前に読ませて貰ってます‼︎これからも頑張って下さい応援してます❤️ (5月15日 2時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
んご - めっちゃ最高です！更新頑張ってください！！ (2023年4月30日 7時) (レス) @page6 id: 2dc34b573e (このIDを非表示/違反報告)
高橋 - 頑張ってください！ (2023年4月1日 23時) (レス) id: 2973651174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年3月22日 16時
