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4年だ。4年間、考えなかった日はない。
もしルアナが生きていたら——。
あり得ないと分かっていながらも願わずにはいられなかった。毎朝慰霊碑を見上げては彼女を想った。
今頃何をしているのだろう。ナナバやレイらと会えただろうか。ミケとエルヴィンに褒められ、照れくさそうに笑っているだろうか。空にいても、俺を見つけてくれているだろうか。
自分でも嫌になる程、彼女が死んだ日から女々しいことばかり考えていた。
頭の中だけではない。彼の自室には彼女のためにと買っていた珈琲豆が自分で飲まないくせに未開封のまま置いてあるし、彼女が使っていたカップやらグラスやらもそのままだ。
そうして4年という月日はあっという間に経ち、エレンの強硬策によってこの国へ
まさかそんな作戦が、こんな巡り合わせを引き寄せるとは——。
これだけで無謀な要求を無理強いしたエレンを許すほど、リヴァイも落ちぶれちゃいないが、それでも思うところはあった。
現に、左腕に感じる彼女の温もりが幻ではないとじんわり実感し始めている心境に、リヴァイは自分で気づいている。
「…ルアナ、」
小さく彼女を呼んでみる。風の音で届かないと思ったが、意外にも彼女は街から目を離し、こちらを向いた。
「……………」
「ルアナ、ちゃんと話してくれるか」
轟音で聞き取れないのか、彼女の薄い唇が「………なに？」と控えめに揺れる。リヴァイは小さく口角を上げた。
「あとで話そう」
「…………？」
「兵長！ご無事ですか！」
やはり聞き取れなかったのか、彼女が小さく首を傾げている。が、飛行船はもう目の前だ。船内の兵士が身を乗り出してこちらに呼びかけている。
リヴァイは彼女の耳元に口を寄せ、聞こえるように少しだけ声を張った。
「フードを深く被れ！じきに着く！！」
やっと聞き取れたのか、彼女は小さく頷くと、拘束された両手で器用にフードの裾をつまんで引き寄せた。
ちゃんと話をするのはあとでいい。
リヴァイは再度彼女を抱き寄せ、船体を見上げて速度を上げた。
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あんこもち(プロフ) - 無名さん» コメントありがとうございます。確かにマーレ急襲時にはスカーフを巻いていませんが、リヴァイはやはり通常時にはスカーフを巻いていることが多いのでそのように表現しております。分かりにくく申し訳ございません。 (11月19日 11時) (
レス) @page35 id: d1838a7b16 (このIDを非表示/違反報告)
無名 - 854年のリヴァイさんは最初の方だけスカーフをしていなかったと思いますが... (11月19日 0時) (レス) @page35 id: 633d257dbd (このIDを非表示/違反報告)
愛 - 最高スギィ！もう毎朝学校行く前に読ませて貰ってます‼︎これからも頑張って下さい応援してます❤️ (5月15日 2時) (レス) id: 0f2e86f85b (このIDを非表示/違反報告)
んご - めっちゃ最高です！更新頑張ってください！！ (2023年4月30日 7時) (レス) @page6 id: 2dc34b573e (このIDを非表示/違反報告)
高橋 - 頑張ってください！ (2023年4月1日 23時) (レス) id: 2973651174 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年3月22日 16時
