# ページ25
ほっ、と息をつく。3人を押さえていたスネイプの腕も緩んだ。
スネイプ「ポッター、貴様の処分は後だ」
スネイプが呆れたように呟く。マリーは何も言わず、ハリーが消えていった先を眺めていた。
スネイプ「グレンジャー、ウィーズリーを医務室に連れて行け」
ハーマイオニー「は、はい」
ハーマイオニーはまだ恐怖が抜けないのか声が震えている。ロンは怪我の痛みを思い出したかのようにヘナヘナと座り込んだ。スネイプがロンを運ぶための担架を魔法で出す。それをなんとなく眺めていたその時――。
マリー「っ、」
心臓の奥底がずんと疼く。マリーは咄嗟に上を見上げた。空が、暗くなって――。
マリー「ハリー…！」
マリーは一目散に駆け出した。後ろからスネイプの声がするが、無視して走った。
さっきの疼き、妙な寒気、怪しい雲行き。間違いない、これは――。
ハリー「エクスペクト・パトローナム……」
遠くでハリーの声が聞こえる。湖の方だ。マリーは急いで足場の悪い坂を滑り降りた。
ハリーはいつ「
そんな疑問を胸に走った。
坂を降りると、視界が開け、目の前には大きな湖が現れた。そこには大量の
マリー「ハリー！」
マリーは急いで駆け寄り、倒れ込む兄の身体を抱きとめた。ほとんど意識が薄れている。マリーは急いで杖を取り出し、空を怪しく舞う
幸せな、記憶……。あのダーズリー家から抜け出し、シリウスと暮らせるかもしれない、幸せな――。
マリー「エクスペクト・パトローナム！！」
銀色の靄が杖から吹き出す。ダメだ、これでは足りない。
マリーはもう一度杖を握り直した。
幸せな……、そう。父と母と私とハリー、それからシリウス。5人が一緒に食卓を並べた、そんなことがあったはずだろうという、妄想の記憶だ。
マリー「エクスペクト・パトローナム！！」
杖先が微かに震え、銀色の美しい雌鹿がマリー、ハリー、シリウスの周りを駆け巡り、守るように
これで大丈夫だ、と安心した時、ハリーが小さく呟いた。
ハリー「父、さん……？」
マリー「えっ？」
マリーがその視線の先を追うと、湖の向こうに銀色の牡鹿の姿が揺れていた。
終わり
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akithin.(プロフ) - 凄く面白くて作品にのめり込んでしまいました！更新楽しみに待ってます！ (4月7日 19時) (
レス) id: 99ff633255 (このIDを非表示/違反報告)
うたねのどあ(プロフ) - 本当に大好きな作品です…！！思わず一気読みしてしまいました！！これからの展開が楽しみです…！無理をせずに更新お待ちしております…！ (1月4日 18時) (レス) id: d12e45b1fd (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - まってます！ (10月8日 12時) (レス) @page25 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
名無し17098号(プロフ) - 続き待ってます！ (9月12日 19時) (レス) id: 45c6c008b2 (このIDを非表示/違反報告)
あーむ(プロフ) - 初めまして。もう更新はされないのでしょうか…？更新待っております。 (2022年7月15日 23時) (レス) id: bdae7c5760 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2021年5月20日 1時
