# ページ16
しばらく進んでいくと、僅かに戸が開いている部屋から光が漏れていた。マリーは杖明かりを消し、ハリーがその扉を開けるのを見守った。
その扉の向こうには、ベッドに腰かけ、片足を不自然に伸ばしているロンがいた。
ハリー「ロン！」
ハリーがロンに駆け寄る。ハーマイオニーもマリーから手を離し、ロンの足元で膝をついた。
ハーマイオニー「無事なの？」
マリーは扉の前でさっと部屋を見渡す。ロンを連れて行ったはずの
マリー「ロン、あの犬はどこ？」
ロン「マリー、罠だ！犬はあいつだよ！『
ロンがマリーの方を指さして叫ぶ。マリーが扉の前から一歩後ずさると、その扉の陰に人の影――。
ハリー「マリー、離れろ！」
マリー「っ、………」
マリーの目の前で、扉がゆっくりと閉まる。その陰に潜んでいたのは――。
マリー「シリウス・ブラック……」
ハーマイオニー「二人を殺すなら、私たちも殺しなさい！！」
ハーマイオニーが勇敢にもハリーとマリーの前に立ちはだかった。
しかし目の前の殺人鬼は、ニヤリと口角を上げ、黄色い歯をむき出しにしただけだった。
シリウス「いや、今夜死ぬのはただ一人」
マリーは思わず顔を顰めた。
シリウス・ブラックはヴォルデモートの手下だった。きっと、この繋がりを知っている…。今夜死ぬその一人は、私――。
ハリー「それはお前だ！！」
マリーが考えていたその横から、ハリーが飛び出し、ブラックに掴みかかった。
マリー「ハリー！」
咄嗟にハリーの腕を掴もうとするも届かない。ハーマイオニーがマリーをぐっと押さえていた。
ハーマイオニー「ダメよ！」
マリー「でも！」
一方、ハリーはブラックの上に馬乗りになり、その喉元に杖を突き付け、ぐっと睨み下ろしていた。
シリウス「私を殺す気か、ハリー」
クリスマスの日。目の前の男が自分たちの名付け親だと知り、「殺してやる」と熱くなっていたハリー。反対に至って冷静なマリーだったが、それが嘘のようだ。実際にその裏切り者を目の前にして、マリーの心の中は一択だった。
――殺す。
マリー「ハーマイオニー、離して！こいつは両親の仇なの！」
ハーマイオニー「落ち着いてよ！あなたらしくないわ！」
マリー「こいつのせいで両親は死んだの！！」
バン！
マリーの大声と同時に、扉が勢いよく開いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 747人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
akithin.(プロフ) - 凄く面白くて作品にのめり込んでしまいました！更新楽しみに待ってます！ (4月7日 19時) (
レス) id: 99ff633255 (このIDを非表示/違反報告)
うたねのどあ(プロフ) - 本当に大好きな作品です…！！思わず一気読みしてしまいました！！これからの展開が楽しみです…！無理をせずに更新お待ちしております…！ (1月4日 18時) (レス) id: d12e45b1fd (このIDを非表示/違反報告)
あまね(プロフ) - まってます！ (10月8日 12時) (レス) @page25 id: 2b125e9969 (このIDを非表示/違反報告)
名無し17098号(プロフ) - 続き待ってます！ (9月12日 19時) (レス) id: 45c6c008b2 (このIDを非表示/違反報告)
あーむ(プロフ) - 初めまして。もう更新はされないのでしょうか…？更新待っております。 (2022年7月15日 23時) (レス) id: bdae7c5760 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：あんこもち
| 作成日時：2021年5月20日 1時
