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「ん、………」
窓から差し込む月明りで目が覚める。小さくあくびを噛み殺し、腕の中で寝息を立てるルアナをそっと見下ろした。どこかほっとする、穏やかな寝顔だ。
なんだか、懐かしい夢を見たな。
腕の中で眠っているルアナは、夢で出てきたよりも髪が伸び、少しだけ痩せている。
そして、俺の唇にはあの柔らかな唇の感触がほんの少し残っていた。それは夢の中のキスか、はたまた数時間前のキスかは定かではない。
ルアナの顔にかかる髪を起こさぬように払い、そういえば、と夢の続きを記憶から思い起こした。
あの後、首にすり寄ったら思いきり頭をはたかれ、「まだ昼間でしょーが」と怒られた。すぐさま椅子から立ち上がったルアナは窓をぴしゃりと閉め、俺をぐっと睨みつけていたな。怒っているくせに顔は真っ赤で、それがあまりにも愛くて。
思い出すだけで口元が緩みそうだ。
俺はもう一度、腕の中のルアナに目を向け、その髪をそっと撫でた。そしてふと、エルヴィンの元から戻ってきた時のルアナの様子を思い出した。
何を話していたのか、教えてはくれなかったが、その時見せた顔があまりにも引きつっていて、俺は咄嗟にこいつを抱きしめていた。その流れでベッドに入り、終わった後には二人で風呂に入った。その頃にはいつものルアナに戻っていたが、どうにもあの恐怖に屈したような表情が胸に引っ掛かったままだ。
それから、昔の夢を見ていたせいか、忘れかけていたルアナの言葉も思い出した。
『――たぶん、あの人は私と正反対だから。しょうがないよ。』
この言葉の意味は、今でも分からねぇ。もう6年もこいつといるが、俺の知らないルアナがまだいる。こいつ自身が話そうとしない限り、無理に聞こうとは思わねぇが、それでも――。
「いい加減、教えてくれてもいいんじゃねぇか？なぁ、ルアナ」
俺の小さな呟きは、きっとルアナには届いていない。
今は、それでいい。
いつか、話してくれる時がくれば。
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p(プロフ) - 一気にここまで読みました！読んでいてめちゃめちゃおもいろい！止まりませんでした！続きとっても楽しみにしてます！ (2021年9月4日 18時) (
レス) id: cd4b92f726 (このIDを非表示/違反報告)
シエル先生 - 胸がドキドキするリヴァイの小説を読めてとても楽しいです更新頑張ってください (2021年8月18日 2時) (レス) id: 7d890425dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2021年8月6日 12時
