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二人の時間がほんの一瞬だけ止まる。
でもそれは本当に一瞬で、またひとつ風が部屋に舞い込むと、ルアナは思い出したかのように机の上を片付け始めた。部屋を見渡せば、片付け途中の書類や荷物があちこちに置かれていた。
「あなたも部屋片付けたら？新しい部屋に移るんでしょう？」
机の上の書類に手をつけながら、ルアナはこちらを見ずに言った。
「兵士長室も分隊長と同じくらいかなぁ」
すっかり伸びた声で独り言を言うルアナ。俺はじっとその姿を見つめ、扉の前から動けずにいた。すると視線を感じたのか、ルアナが不意にこっちに視線を向けた。
「なに？もしかして怒られて拗ねてるの？」
「馬鹿か。ガキ扱いすんじゃねぇ、クソガキ」
「ちょいちょい、兵士長さんよ。副団長に向かってクソガキとは何だね？？」
すっかりいつもの調子のルアナだが、俺はまだ先の感じが抜けなかった。
「怖いとか、思わないのか」
話を終わらせる気のない俺に、ルアナは呆れたようにため息をついた。
「………まだその話するの」
「お前がちゃんと本心で話すまでな」
しつこく食い下がる俺に痺れを切らしたのか、ルアナは大きくため息をついて手に持った書類を再び机に置き、肘掛椅子に腰掛けた。
「どうしてリヴァイがそんなに気にするのかは知らないけど……。怖くないよ、本当に」
「怖くないわけねぇだろ」
「ほんとに。………ただ、ちょっとだけ思うかな」
――なんか寂しいな、って。
本心だ、とすぐに分かった。ルアナが、まるで半分笑顔で半分泣いているような表情をしているからだ。
「今まではさ、ミケとかナナバ、それからハンジ。皆がいつもすぐ隣にいてくれたけど、副団長になるとそうもいかないだろうな、ってね」
ナナバやハンジだって、新しい役職に不安を抱えているだろうし、とルアナは背もたれに体を預け天井を仰ぐ。
「でも1人じゃないって知ってるから、だから本当に怖くないよ」
そう言って俺の方に顔を向け、ルアナは目を細めて笑った。
たぶん俺はこの時、確実にこいつに落ちた。そして生まれて初めてこう思った。
――こいつの隣で生きていきたい、と。
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p(プロフ) - 一気にここまで読みました！読んでいてめちゃめちゃおもいろい！止まりませんでした！続きとっても楽しみにしてます！ (2021年9月4日 18時) (
レス) id: cd4b92f726 (このIDを非表示/違反報告)
シエル先生 - 胸がドキドキするリヴァイの小説を読めてとても楽しいです更新頑張ってください (2021年8月18日 2時) (レス) id: 7d890425dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2021年8月6日 12時
