14 -The Proof- ページ16
次も、その次の訓練の時も、女はいたって普通だった。俺のやり方に何か言ってくることもない。多少のアドバイス程度で声をかけてくることはあるが、それ以外は他の隊員と同じように俺を扱った。
俺も俺で女に用も興味もないため、歩み寄ろうなどとは思わなかった。
そして、俺たちが調査兵団に入団して数か月。ようやく、その日がやってきた。
「開門、始めーー！」
俺たちにとって、初めての壁外調査。
「今日また一歩、我々は前進する！」
幸運にも、イザベル、ファーランのいるフラゴンの隊と、あの女の隊は隣だ。
「訓練の成果を見せてくれ！」
俺の斜め前に、隊長である女がいる。
「人類の力を思い知らせてやるのだ！！」
まずは、こいつをどうやって出し抜くかが最初の難関だな。それを突破できなきゃ、あのエルヴィンの野郎を殺しにも行けない。
「全員、前進！！」
一斉に隊が前進する。俺も手綱を引き、馬を出した。
不思議だ。同じ空のはずなのに、壁一枚向こうに行くだけで、空はこんなにも広く、そして遠い。
「すっげぇ！！」
この時の空と、こいつらの顔は一生忘れることはないだろう。
「あぁ…、悪くねぇ」
それから、初めて巨人を目にした時のあの感覚も、忘れることはできないだろう。
「巨人発見！」
「こちらに向かってきます！」
さっきまで「巨人なんてクソくらえ！」といきんでいたイザベルも、言葉を失っている。
「ルアナ分隊長！どうしますか！」
「……団長！左手前方森林の中に15ｍ！近いです！指示を！！」
女が、団長に指示を仰いでいる。
「っ、…前衛は俺と来い！本隊はそのまま目的地である補給所へ！……フラゴン、ルアナ、本隊を任せるぞ」
「「了解」」
団長、そして金髪野郎が隊を抜けたその瞬間――。
「っ、」
女の顔つきが変わった。
「森から出すな！立体機動に移る！」
「ルアナ、ここは任せろ。他に巨人がいないか――」
「フラゴン分隊長！20ｍ級が一体、木に隠れていたようです！」
「後衛を死守だ！森の方へ誘導し――」
「ダメです！こっちを見向きもしません！！」
「奇行種か…！」
フラゴンの顔に焦りが出る。が、女は全くの冷静。
「フラゴン、奇行種は私の班で対応する！あっちを近づけないでください」
「わ、わかった！」
「――ハンス！行ける？」
「おう！」
「レイ、リン、足を頼む」
「はい！！」
「了解！！」
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p(プロフ) - 一気にここまで読みました！読んでいてめちゃめちゃおもいろい！止まりませんでした！続きとっても楽しみにしてます！ (2021年9月4日 18時) (
レス) id: cd4b92f726 (このIDを非表示/違反報告)
シエル先生 - 胸がドキドキするリヴァイの小説を読めてとても楽しいです更新頑張ってください (2021年8月18日 2時) (レス) id: 7d890425dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2021年8月6日 12時
