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岩や木々などの障害物の多い、訓練の中では最高難易度のコース。コース内には全部で20体の巨人模型。
制限時間はなく、全ての模型の項部分を削ぎ、その速さと深さで勝敗を決める。
ギャラリーはすっかり増え、訓練していた全兵士がコースの至る所で野次馬をしていた。
「ルアナ、お前な……」
「訓練の一環ってことにしといて、ミケ」
「はぁ……」
時間を測るのは、あの髭面の大柄な男――ミケ。
「兄貴ー！やったれー！！」
「…………」
「ルアナ〜、負けたら今夜研究会ね！」
「絶対嫌っ。私は寝る！絶対に寝る！ハンジの巨人話には付き合わないから」
「そこは『勝っても付き合うよ♡』でしょ〜！」
女と親し気に話す、メガネ野郎。こいつは男か女か分からねぇ奴だな。
「じゃあいいか？」
「いつでもどうぞ。君は？」
「……構わねぇ」
「よし。俺の合図でスタートだ。タイムは俺の懐中時計で測る」
女がブレードを引き抜き、構える。その一連の動作さえ余裕を感じ、俺はぐっとブレードを強く握り締めた。
「――始め！！」
男の声を合図に、俺は思いきり地を蹴ってアンカーを木に刺す。速さはぜってぇ負けねぇ。どんどんスピードを上げていった。
ちらりと後ろを見ると、少し後ろで女が飛んでいる。
はっ、大したことねぇ。
俺は再び前へ視線を戻し、巨人模型に照準を定めた。項に見立てたクッション部分めがけて近くにアンカーを刺す。
――いける！
そう確信し、ブレードを構えたその時――。
「っ、！」
「ん"ん！」
さっきまで後ろにいたはずの女が、上から項を削ぎ落した。
どういうことだ、さっきまで後ろに――それもこんな一瞬で抜ける距離じゃなかった。
だが、考えている時間はない。もう女は次の模型に向かっている。
クソ、余裕ぶった顔しやがって。
ぐっと眉間に力を入れ、女の後ろ姿を睨みつけながら、俺も刃を模型に振り落とした。
――ぜってぇ追い越してやる。
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p(プロフ) - 一気にここまで読みました！読んでいてめちゃめちゃおもいろい！止まりませんでした！続きとっても楽しみにしてます！ (2021年9月4日 18時) (
レス) id: cd4b92f726 (このIDを非表示/違反報告)
シエル先生 - 胸がドキドキするリヴァイの小説を読めてとても楽しいです更新頑張ってください (2021年8月18日 2時) (レス) id: 7d890425dd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2021年8月6日 12時
