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「すると、あなた方はマーレに恨みを持つ亡国の民であり、マーレ軍に潜入する諜報員だと？」
「いえ……、諜報などと呼べるような代物ではありません。マーレに故郷を奪われ、兵士として徴用された我々はとても非力で、あの大国に抗う気概は失われつつありました。
イェレナは彼をマーレや世界の人々が悪魔と呼んで恐れる巨人と言った。
その言葉だけで、ルアナもリヴァイもハンジも、それが誰であるか理解は容易かった。思い出したくもないが、こちらの大黒柱を一本折られた相手だ。恨んでも恨みきれないほどの遺恨が彼らの心に残り続けている。
だからイェレナがそれを神と呼んだ時には、ハンジもリヴァイも堪らず眉を曇らせた。
「私たちは、ジーク・イェーガーの
ルアナは静かに目を閉じた。
相手を考えれば真っ先に断りたいところだが、今後のことを考えるとそうもいかない。あぁ、何度これを繰り返せば戦いは終わるのだろうか。何度この世界に絶望すればいいのだろうか。
世界は、残酷だ。
ルアナはゆっくりと顔をあげ、イェレナを見つめ返した。
「……私の脚はジーク・イェーガーによって奪われました」
一度目線を膝に落とす。車椅子の足場に自分の足が乗っている感覚はあるが、実際は膝下でブランケットがぺたんとへたっている。
「それだけではありません。我々はジーク・イェーガーに数えきれないほど尊い命を奪われてきました。その怨恨は私含め、パラディ島に深く刻まれています。そう簡単に同じ机を囲むことはできないでしょう。
…ですが、最終的な目的が一致していることも事実です。我々もまた、エルディア人の解放を願っています。外の世界に自由を求めて、我々は無数の屍を踏み台にここまで来た。今ここで、私の一所存で協力を受け入れることはできません。本案件は島の本部に持ち帰らせていただきます」
ルアナは表情一つ変えることはなかった。
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ああ - 今まで読んだ中で一位になるくらい面白かったです！ (9月9日 9時) (
レス) id: d425432768 (このIDを非表示/違反報告)
Kawamata0912(プロフ) - めっちゃ愛してます この作品を。ありがとうございます。 (5月6日 22時) (レス) id: ddf77202c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年5月6日 11時
