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一瞬眉を下げたルアナも、エレンに向き合うとすぐその目を引き締めた。
「落ち着いた？エレン」
「っ…………」
エレンは再び洗面器に手をつき、荒い息を整えていた。
ルアナは一つ息を吐くと、隣に立つハンジを見上げた。
「ハンジ、ちょっと席を外してくれる？」
「え、でも…」
ハンジが心配そうにエレンとルアナを交互に見る。
今この地下牢にはここにいる三人以外誰もいない。恐らくルアナを連れてきたベンは既に外で待機しているのだろうし、もしここでハンジまで席を外してしまったら、ルアナとエレンの二人きりということになる。
昔であれば特に心配することもなかったが、車椅子のルアナともはや敵か味方かも分からないエレンでは、何かあってしまっては遅いのだ。
そんなハンジの心配を見抜いてか、ルアナが悠然とした面持ちで小さく口角を上げた。
「大丈夫。」
「っ、……」
たった一言。たったそれだけなのに、ハンジの中から不安がふっと拭われる。
ほんとに不思議だよ。君が言うと本当にそんな気がしてしまうんだから。
ハンジは「分かった」と小さく頷き、エレンを一瞥して地上へと続く階段を登った。
全く心配がないと言えば嘘になるが、彼女が迷わず言い切る時は本当に大丈夫な時だけだ。それにわざわざハンジに席を外させたということは、あまり聞かれたくない話なのだろう。
階段を登り切ったハンジは後ろ手に扉を閉め、ずるずるとその場にしゃがみ込んだ。
ルアナがタイミングよく来てくれたから良かったものの、もし一人だったらあの手を振り切れていたかどうか——。ハンジには自信がなかった。
それと同時に、いつまで経ってもルアナに助けられてばっかりの自分にいい加減うんざりする。
ハンジは大きく息を吐き出し、蹲るように両手で頭を抱えた。
「エルヴィン……、あんたの唯一の失策だ。……なんで私なんか、団長にしたんだよ…っ」
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ああ - 今まで読んだ中で一位になるくらい面白かったです！ (9月9日 9時) (
レス) id: d425432768 (このIDを非表示/違反報告)
Kawamata0912(プロフ) - めっちゃ愛してます この作品を。ありがとうございます。 (5月6日 22時) (レス) id: ddf77202c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年5月6日 11時
