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リヴァイにはイェレナがどこか気を抜いたように見えた。
何せこちらの最高責任者は見ての通り半身不随だ。敵からすればこれほどまで脆弱な組織はないと考えるだろう。訓練兵でさえいとも簡単に彼女を人質に取ることができる。
だが舐めてもらっては困る。車椅子の彼女が最高司令官に任命されたとて、彼らはそこに一切の不安要素も感じていなかった。
「ご挨拶が遅れましたね、イェレナさん」
ここまで柔らかな雰囲気を漂わせていたルアナが改めてイェレナを見つめ返す。
「初めまして。パラディ島南部最高司令官ルアナ・クライストと申します。以後、お見知り置きを」
リヴァイらパラディ島側には安心を、相手方マーレの兵士たちには恐ろしいほどの牽制を。呼吸の音さえ立てることを禁じれたかのように、空気が痛いほど張り詰めた。
これが、パラディ島の若き司令官——ルアナ・クライスト。
リヴァイの口角が僅かに上がる一方で、イェレナの額にはじんわりと汗が滲んだ。
「では、話の続きを」
どうやら奥の部屋まで声は筒抜けだったらしい。ここまでの短いやり取りは既に彼女の耳に入っている。
肌の黒い兵士がおずおずと口を開いた。
「航空とは要するに、海や壁を越え、敵が空から現れる移動兵器のことです」
「ええ？！空から来——」
「ハンジ。」
思わず立ち上がりかけたハンジをルアナが冷たく横目で制す。ハンジは上げかけた腰をゆっくりと下ろした。
「……ご、ごめん。取り乱した…」
机の下でぽんとハンジの手を軽く叩き、ルアナはイェレナに向き合った。
「そこまでの力を持っているにも関わらず、マーレは少なくとも一年間、まともに攻めてくることはありませんでした。マーレ側にも何か事情がおありで？」
こいつは相変わらず相手を追い詰めるのがうめぇな、とリヴァイは密かに舌を巻く。さぞかしやりづらいだろうとイェレナに目を向けると、案の定苦笑いを浮かべていた。
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ああ - 今まで読んだ中で一位になるくらい面白かったです！ (9月9日 9時) (
レス) id: d425432768 (このIDを非表示/違反報告)
Kawamata0912(プロフ) - めっちゃ愛してます この作品を。ありがとうございます。 (5月6日 22時) (レス) id: ddf77202c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年5月6日 11時
