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「悪いねぇ、忙しいのに」
「忙しいのなんてお互い様でしょ。どうしたの？」
「ちょっと君の意見を聞きたくて。時間平気？」
「うん」
ルアナはデスクから応接用の机まで車椅子を動かした。自身が車椅子のため、応接用のソファやローテーブルはない。
ハンジがテーブルに資料を広げ、業務的な話に緩んでいた頭を締め直す。
彼女とこういう時間を過ごすことも随分と増えた。
ルアナの業務範囲は調査兵団を越え、今や外交やら王政なども含まれている。特に南側領土となるとマーレ関連のことも多く入ってくるため、副団長時代とは比べ物にならないほど責任は重いし仕事量も尋常ではない。
それでもやはり、古巣の調査兵団には何かと力を貸してしまうのだから、彼女の仕事人間っぷりは酷くなる一方だ。
「あーそっか、なるほど。うん、ありがと。すっごい助かった」
「いいってことよ。こういうことならいつでも言って」
「うん。ほんと助かる」
ハンジがうんと伸びをする。その表情はすっかり仕事モード・オフだ。
ルアナもよく切り替えが早いと言われるが、ハンジも負けていないじゃないかと口角を上げた。
「そういえばどう？義勇兵の様子は」
「順調、かな。時間はかかったけど結構親切にしてくれるよ」
「そう、良かった…。まあ、ハンジは昔からそういうの得意だから心配はしてなかったけどね」
「はは、まあね〜。なんなら君も私が開拓したようなものだし？」
「ふふ、ほんとよ」
朗らかな笑い声が夕刻の暖かい日差しに溶け込む。
「君も来ればいのに」
「…私まで仲良くなっちゃったら境界線がなくなっちゃうからね」
ルアナが眉を八の字にして笑う。
彼女特有の泣き笑いのような表情に、ハンジはどこかいたたまれなくなった。
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ああ - 今まで読んだ中で一位になるくらい面白かったです！ (9月9日 9時) (
レス) id: d425432768 (このIDを非表示/違反報告)
Kawamata0912(プロフ) - めっちゃ愛してます この作品を。ありがとうございます。 (5月6日 22時) (レス) id: ddf77202c9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：あんこもち
| 作成日時：2023年5月6日 11時
