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ポンと低い位置にあるAの頭に手を置いてその柔らかい髪を優しく撫でる。少し砂埃が混じってざらつくもののそんなこと気にならなかった
「監督の指示なんだもん。無駄なことなんてないわ。誰も止めないってことは無視して放置してるんじゃなくて意味があるからやらせてるの。同じ練習をするだけが野球じゃないわ」
「…そうだよね」
沢村の役に立てなかったと気落ちしていたから何か責任を感じているA。藤原の言葉に何度も頷きその意味を噛み砕き理解し何かを決意するかのようによしっと両拳を握った
「えーじゅんくん疲れてるだろうから飲み物いっぱい準備しよ！マネージャーとしてできること全部やるっ！放置してないとしても1人は寂しいから私がサポートする！えーじゅんくんがマウンド立つとこ早く見たいもんっ！」
まずはボール片付けなくちゃと残りのボールを拾い駆け足で戻っていく小さな背中を藤原は愛おしそうに見つめた。この数百人規模の青道野球部でマネージャーはたった5人しかいなくて。マネージャーにできることは僅かだけれどその僅かなサポートは全員に行き渡らせることもまた僅かで
サポートを必要としない部員もいるだろうけれど求められても見落としてしまう面もあるだろう
隅に目を向けられるAはいいマネージャーになれるだろうし、部員の多いこの中で目に留まる沢村は存在感や何かしらのものがあるのだろうなと藤原は思う
「転ばないでねー！」
「だいじょーぶ！ありがとう貴ちゃん」
「また敬語…そんな大声出したら…」
ニコニコと満面の笑みを浮かべて走っていくAを呆れたため息と共に吊られて上がる口角をそのままにゆっくり歩き出す。きっと今の声を聞いた小湊に問いただされるだろう未来を想像してしまった
今までも賑やかだったが輪をかけて賑わい最上級生として下の子達にきちんとした姿を見せていかなきゃいけないというプレッシャーの中どこか大人びた同級生達が童心に返り懐かしい姿をあの二人の前では出すものだからそれが嬉しくも感じる
「…もう最後か、」
長いようで短かった3年間の、3年目
何かしでかしてくれそうな後輩たちがいる事に頼もしさと少しの寂しさ
それを上回るほどの期待感が胸の内を燻る
早く夏になれと、でもまだ来ないでくれと複雑な思いはどこか甘酸っぱくて心地の良いものだった
「早くマウンド立ってね、沢村くん」
.
続く
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みけいぬこ(プロフ) - まうふちさん» コメントありがとうございます！3年生と沢山絡ませて青春していきたいと思います！ (9月12日 16時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
まうふち(プロフ) - 夢主ちゃんめっちゃ可愛いですし面白いです！お気に入りさせていただきました！更新楽しみにしてます！ (9月10日 5時) (レス) @page14 id: d0a3c1950d (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - あやかさん» あやか様コメントありがとうございます！何度も読んでいただけて嬉しいです！こちらは平穏に青春していきたいと思います(*ˊ˘ˋ*)またぜひ読みに来てくださいませ (6月21日 9時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 初めまして！全ての作品何度も読み返すほどみけいぬこさんの作品が大好きです！大っ好きなダイヤのAの作品が始まっていて、思わずコメントしてしまいました！みけいぬこさんのペースで頑張ってください！気長に待ってます！ (6月20日 18時) (レス) @page8 id: cac696b1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2023年6月10日 3時
