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「なぜ曲がるううううう！！！？」
本人が涙声で叫ぶように、途中までまっすぐ進んでいたボールは何故かフェンスまで後少しというとこで緩い曲線を描いて目的地から逸れていった
ポテリと音が聞こえるように手前の地面に悲しくも着地して転々…と少し進んだがお情けにもフェンスには届かず居心地悪そうに雑草に隠れるように止まった
思わぬ展開に一瞬しんと静まり返ったが誰かを皮切りにどっと笑いが巻き起こる。何故遠投でカーブを投げるんだとか大物だぜと笑い囃すような声がそこここから聞こえてきた
当の本人は意図してしたものではないのだろう顔を真っ赤にさせて羞恥に堪えているようだった
「何あの子っおもしろいねー」
「アッハッハッハッハッ」
先輩2人の声も少し遠く感じる程にAはもう何も起こらない空間を見つめていた
「え、え…！何あれ…！？」
思わず洩れた言葉は少し震えていて笑い物になってしまったさっきの遠投は何なのだと心が震えた
途中までは何の変哲もないストレートのようなボール
それが突然まるで生きてるようにその軌道を変えた
「え、カットボール…？でもでもこんな所でするなんておかしいよね…無意識？」
あの子、投手なのか？
どこの中学出身だろう？
なんで今まで知られてなかったのだろう
「あ、名前…たしか……沢村、くん？」
片岡監督にランニングだけしてろ、投げさせないと死刑宣告をされ打ち砕かれ泣き伏せる姿をAは一人きらきらした瞳で見つめた
あんなにナチュラルなムービングボールを初めて見た
その興奮を共有できる人が今近くにいない
「え、もったいない…たしか礼ちゃんだよね…スカウト？したの」
「Aー行くよー？」
「あ！はい！」
一人立ち止まっていたAはいつの間にか距離があいてしまったことに慌てて走って追いかける。もう周りは練習を再開させていて見える所に項垂れる沢村は見当たらなかった
何事もなかったかのように再開された日常に、Aは一人冷めない興奮を持て余していた
＿＿…
「礼ちゃん礼ちゃん！」
練習終わりに副顧問である高島に沢村のことを聞こうと思ったAはスラッと伸びた綺麗な後ろ姿を見つけ駆け出した
「はーい、捕まえた」
「うわっ！？」
Aの声に振り返り目が合ったのに、くんっと後ろに引かれてその歩みは止まった
「小湊くん？」
「先生すいません、気にしないでください」
「え？！な、」
話の意図が全く見えず一人狼狽えるAににこりと上から優しい笑みが降ってきた
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みけいぬこ(プロフ) - まうふちさん» コメントありがとうございます！3年生と沢山絡ませて青春していきたいと思います！ (9月12日 16時) (
レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
まうふち(プロフ) - 夢主ちゃんめっちゃ可愛いですし面白いです！お気に入りさせていただきました！更新楽しみにしてます！ (9月10日 5時) (レス) @page14 id: d0a3c1950d (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - あやかさん» あやか様コメントありがとうございます！何度も読んでいただけて嬉しいです！こちらは平穏に青春していきたいと思います(*ˊ˘ˋ*)またぜひ読みに来てくださいませ (6月21日 9時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
あやか(プロフ) - 初めまして！全ての作品何度も読み返すほどみけいぬこさんの作品が大好きです！大っ好きなダイヤのAの作品が始まっていて、思わずコメントしてしまいました！みけいぬこさんのペースで頑張ってください！気長に待ってます！ (6月20日 18時) (レス) @page8 id: cac696b1d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2023年6月10日 3時
