立つ地は柔く、固く ページ15
「療養中の所申し訳ない。でもどうしても君に確認したいことがある」
そう言って警察の人が来た
名を塚内直正
その後ろには猫顔の部下を連れていて前にもこんな光景を見た気がして記憶を振り返る
「(あれは、犬顔だ…たしか、ステインの……)」
あの日も自分は病室にいたっけなと目の前の真剣な顔の塚内とは正反対にAの心は凪いでいた
耳の奥に言葉が残っている
強い、強い思いが込められた言葉達がAを優しく包みこんでくれている
「もう怪我の具合もいいと聞いているけど、話せるかな？」
「……はい」
声は優しめだが眉間には皺がより世界の逼迫した現状をどうにかしようと奔走してる人物なのだとよく分かる。顎下の無精髭は剃る暇もないほど奔走しているのだろう
鼻を鳴らせば僅かに男独特の匂いが強く香る
「君は、敵連合の中枢にいたはずだ。何か見聞きしてることはないかい？オールフォーワンと何か話したりはしてないかい？」
「(オールフォーワン……？)」
聞きなれないその言葉
何のことだろうかと記憶を辿った
そして自分の持つ記憶の中で気になる事を先に言葉にした
「……刑事さんは、俺を逮捕しないんですか？」
話題を変えようとしてるように見られるかもしれない
隠す気はなくて分かることならきちんと答えようと思っている
けど、知りたかったんだ
今の自分の立ち位置を、
もう、知らないのは嫌だから
どんな現実でもきちんと受け止めて知っていたいんだ
「……しないよ。君は被害者だ」
「……そういう面もあるんだと思います。でも、俺は連合に加担していました。あの山荘で…ヒーローを見殺しにしました」
名も知らぬヒーローを
世界のために奔走して正しい事をしようとしていた彼を
その手を取らなかった
「君が直接手を下した訳じゃないだろう」
「泥花でも俺は荼毘達を擁護しました…多くの市民が殺られていくのを見ていました」
「君は、捕まえてほしいのかい？」
「……俺と荼毘達との違いはなんですか？」
「君は直接誰かを殺めていない。君の話が事実でもそれは殺人幇助でもなんでもない。ただ、そこに居合わせただけだ。君に殺意はない」
ふとあたたかな温もりを感じてうつ向けば、Aの手を塚内が優しく握っていた
「君は、ヒーローだ。始まりが彼らと大きく異なる。君は彼らとは違う」
「……」
そう言われて安心する自分と
否定したい自分がいる
だけど、やっぱりヒーローでありたいと思うんだ
．
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アカ - ありがとうございますほんと！日々の栄養です！ (3月31日 22時) (
レス) @page25 id: 6b437022f9 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - アカさん» また更新してみました（ *ÒㅅÓ)ご査収ください！ (3月27日 20時) (レス) @page19 id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
アカ - 更新！嬉しいです！ (3月8日 16時) (レス) @page19 id: 6b437022f9 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - 白さん» またまたコメントありがとうございます！褒めすぎです！ありがとうございます(⸝⸝⸝°°⸝⸝⸝)楽しんでもらえて嬉しいです！続き書いちゃいます！ (2月1日 23時) (レス) id: cde2af9807 (このIDを非表示/違反報告)
白 - 続編待ってました！やはりあなたは神なのでは……？ずっと応援してます！！本当に好きです！！！！ (2月1日 20時) (レス) id: 009b20195a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2024年1月3日 1時
