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「…騒々しいな」
「あいつがキャンキャン吠えンのはいつもだろォが」
るいとホークスの会話を横目に、どこか愛おしそうにベストジーニストは目を細めると整えた前髪を少し直しながら爆豪がここに来た目的について話を切り出す。この棟にはもう一つ、多くが知らない秘密がある
「卵は、無事なんか」
「数値的には問題ないよ。ただ、」
ここには、Aの卵が保管されている
場所は、ベストジーニストの部屋の隣
あえて普通の部屋を装い厳重な管理がされてないようにカモフラージュされている
るいが寝入った後に様子を見たりもしていた
「表面の色に少し変化がある。白っぽく、なってきてるよ」
「…」
その変化が良いものが悪いものかは分からない
生体反応が機械では捉えられないその卵
触れるとほのかにあたたかい、様な気がする
「るいから何か得られたのか」
「…Aの、気配が薄い」
「…そうか、ではそろそろ起こさなければな」
後ろの３人は一先ずそのままに(勝手についてくるだろう)
ベストジーニストはその長い脚をゆったりとした動作で前に進む。カツカツと靴音を鳴らし進んでいく背を爆豪は追う。爆豪は、あの日以来の逢瀬
この手で掴み離さなかったあの日が遠い昔のように感じる
あのぬくもりを、爆豪はまだ忘れてはいなかった
「…ぶち割りゃいいんか」
「そんな冗談、美しくないぞ」
「ケッ」
ぶち壊してその先にAがいたら簡単なのに
現実はそう簡単なものではなくて
「るいは、Aの居場所を知らないということでいいんだな」
「あぁ、あいつうまく隠れて人知れず消える気だったってわけだ」
「…あの子らしいというか、なんというか」
「それされると困ンだよ……失ってたまるかよ」
「そうだな」
他人の迷惑になるからと自らの命を散らせようとする優しい子
「どこでそんなこと覚えたんだか…私はそんなこと教えたつもりはないよ」
「…あいつの本来の性格だろ。自分のために個性使わねぇもんな」
「多感な時期に世界だった母からの拒絶、あの子にとっては何よりショックだったのだろう。自分の優先順位を下げる程に」
もう一度教えなければ
伝えなければ
生きて、もう一度話し合わなければ
共に生きるということを
．
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みけいぬこ(プロフ) - ユキさん» ユキ様コメントありがとうございます！私の趣味趣向を盛り込んだお話楽しんでいただけて何よりです！原作に追いつく勢いなのでゆっくり更新ですが楽しんでいただければと思います！ (2023年1月19日 14時) (
レス) id: a23455ed84 (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - はじめまして。竜ってかわいい設定だな、と気になり拝見していたところ、気付けば夢中になって一気に読み進めてしまっていました。 (2023年1月14日 9時) (レス) @page50 id: c037b1aedc (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - カンナさん» ご連絡ありがとうございます！リンクミスでした！修正いたしました！ありがとうございます✦ฺ (2022年11月16日 17時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
カンナ(プロフ) - 16話の後から続編になって、”竜の見る夢13”となっています…！何か意図があったのならごめんなさい…。 (2022年11月16日 16時) (レス) id: 8ea5502c44 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年11月14日 12時
