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「もっとスピード出せないのか」
「うるせーな、落ち着けよ」
静かな車内
苛立ちと焦りの混じった
絞り出すような相澤の言葉に
同じく山田の声が返ってくる
普段の彼からは想像できないくらいに
低く、そして混乱を音にしたような声だった
「U S Jで戦った…」
そう静かな声で話し出す相澤
戸惑いと疑念をそのままに
渦巻く思いと突きつけられた現実を受け入れようと、否定できる材料を必死になって探す
「そんな素振り……微塵も、」
普段の冷静さとはかけ離れた動揺に腐れ縁である山田は宥める言葉を持ち合わせてはいなかった。それは彼も相澤と同じ気持ちだから
プロヒーローという肩書きもいい年下おっさんも何もかも捨てて今はなぜだどうしてと叫び出したい気分だった
「趣味が悪いにも…程がある……」
「俺ァ…塚内さん達の勘違いに賭ける…」
目まぐるしく変わる外の景色
心の焦燥を表しているようで
見たくなかった
けれど、右足は更に車のスピードを上げたいと強く踏み込もうとする
長い橋を越えた先、海の真ん中にぽつんと浮かぶその要塞が見えてきて
思わずごくりと喉を鳴らした
＿＿…
「2人も知っている通り、脳無は人の手によって肉体を改造され複数の個性に耐えられるようになった人間だ。ただし生きた人間じゃない…脳みそから心臓に至るまでめちゃくちゃにされてる」
無機質、それでいて厳重なセキュリティの廊下を塚内を先頭に進む
窓も何もない正しく牢獄のここは、凶悪敵が収容される孤島の要塞
「複数の個性に耐えられるよう生前に記憶を消され容量を開けられ正に意思持たぬ操り人形」
「のハズだった」
「グラントリノさん、こっちは授業トばしてきてるんです」
淡々と脳無の説明をする塚内
その言葉を濁すようなグラントリノ
そのどこか核心を外す物言いに
「簡潔にお願いします」
「相澤」
心中穏やかでない相澤は普段の冷静はどこへやら、今にも噛みつきそうな睨みをきかせ先導する2人を見つめる
嘘のような現実を既に聞かされている状態(それも信じたくはないが)、この回りくどさは非合理的で無意味なもののように聞こえてしまう
この先に別の怒りが湧くことも普段の冷静な彼であったならこの時点で気づけていただろう
「必要な話だよ。順を追おう…気持ちの整理をつけるためにもね」
肩を掴む山田の手が震えている
気持ちの整理
その言葉が信じたくない現実が本当だと告げていて
吐き気がしそうだった
．
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みけいぬこ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございます！私も気づいてすぐ更新したのですが何故かすぐ非公開になってしまって汗また載せましたのでよろしくお願いします( т т ) (2022年10月31日 2時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - スズレカさん» コメントありがとうございます💦何度か載せてるのですが何故か非公開になってしまって。上げ直しましたのでご確認お願いします！ (2022年10月31日 2時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 突然すみません！最近の更新話で3の次が5になっていて4が抜けていて話が飛んでいるような気がします。私側の不具合でしたらすみません💦 (2022年10月28日 22時) (レス) id: 569c36d262 (このIDを非表示/違反報告)
スズレカ(プロフ) - 初コメ失礼します。Himmelhoch uitramarinの4話目が非公開になってるかもしれません（違ったらごめんなさい）。いつも楽しみに待ってます。更新頑張ってください！ (2022年10月28日 21時) (レス) id: d908ec33e4 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - せつなさん» 修学旅行おかえりなさい！更新させていただいております！比較的ほのぼのライフを送っています笑楽しんでもらえてますと幸いです*.(๓´͈ ˘ `͈๓).* (2022年10月28日 5時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年10月6日 14時
