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「Aくん」
ビクッ
「！！」
突然背後からかけられた声にAの肩が盛大に揺れた
疚しい。勝手に個性を使った今だからこそ
いけない事がバレた子供のように
Aは焦ったような恐怖しているような引き攣った表情そのままに声の方に振り返る
「…大丈夫。怒ってはいないよ」
「…っ通形…さっ、ん……」
「血が出てる。タオル濡らしてきたから拭こっか」
「お、俺……別に……エリに危害を加えたんじゃ……！」
「大丈夫。そんなこと全然思ってないから。ほら、目これで抑えて」
「ぁ……っ」
穏やかな声で柔らかな表情で近寄ってくる通形に少しだけ恐怖した
でも、かけられる"大丈夫"の言葉がその恐怖を和らげてくれるから伸びてくる手とタオルをそのまま受け入れた
「あったかタオルにしたからね。緊張も解れるんだな」
通形の言う通りあたたかいそれは、いつかの優しい人の手を思い出させてくれるから、Aは自然と肩から力が抜けた
じんわり温めてくれるそのぬくもりに変に脈打ってた心臓もズキズキと痛みを訴えていた目元もスーッと凪いでいく
「…うん。じゃあ大きく深呼吸してみよっか。吸ってー」
言われるがままにAは息を吸う。次の声で肺に貯めた空気をゆっくり吐き出す。それを数回繰り返して荒くなった呼吸も落ち着いた。少し温くなったタオルでさりげなく目元の血を拭き取られタオルが離される
「落ち着いたかな？」
「…ありがとうございます。通形さん」
「どういたしましてなんだな！もう目は痛くない？」
変わらず穏やかに微笑む通形にまた安心を覚え、心配してくれるその言葉に一つ頷く。もう鋭い痛みはない
「…エリが、魘されていて…過去の嫌な記憶に苦しんでたから……」
強要された訳じゃないが、隠しておきたくはなくてぽつりとAから言葉を紡ぎ出す。正直に話して怒られるかもしれない、けど隠しておく方が嫌だと思った。何故だか、迷惑はかけたくないと思った
「エリには、笑っててほしくて……」
「うん」
「っ、過去の嫌な記憶がなくなった方が俺は生きやすくなると思うから…」
「エリちゃんを救けようとしてくれたんだね、Aくんは」
「っ」
救ける
そんな大それた話じゃない
もっとちっぽけで自分本位な理由だ
Aには人を救ける力なんてない。と思ってる
「俺が…昔全部記憶なんてなければって思ったから…きっと自分のためで…エリのためじゃ、ないっ……です」
．
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みけいぬこ(プロフ) - レインさん» コメントありがとうございます！私も気づいてすぐ更新したのですが何故かすぐ非公開になってしまって汗また載せましたのでよろしくお願いします( т т ) (2022年10月31日 2時) (
レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - スズレカさん» コメントありがとうございます💦何度か載せてるのですが何故か非公開になってしまって。上げ直しましたのでご確認お願いします！ (2022年10月31日 2時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
レイン(プロフ) - 突然すみません！最近の更新話で3の次が5になっていて4が抜けていて話が飛んでいるような気がします。私側の不具合でしたらすみません💦 (2022年10月28日 22時) (レス) id: 569c36d262 (このIDを非表示/違反報告)
スズレカ(プロフ) - 初コメ失礼します。Himmelhoch uitramarinの4話目が非公開になってるかもしれません（違ったらごめんなさい）。いつも楽しみに待ってます。更新頑張ってください！ (2022年10月28日 21時) (レス) id: d908ec33e4 (このIDを非表示/違反報告)
みけいぬこ(プロフ) - せつなさん» 修学旅行おかえりなさい！更新させていただいております！比較的ほのぼのライフを送っています笑楽しんでもらえてますと幸いです*.(๓´͈ ˘ `͈๓).* (2022年10月28日 5時) (レス) id: b16ff3489c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みけいぬこ
| 作成日時：2022年10月6日 14時
