【名探偵コナン】転生案件はお呼びでない 2 (ページ19)

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互いに変装してるとはいえこの二人を会わせるのはマズイ気がする。

二人がどんぱちする前に机に大き過ぎる代金を置いて「帰ります」と言い残して諸伏景光を引きずりながら店を出た。

マンションに向かう道中は互いに無言、いつもならこんなことないのだが今日は心なしか機嫌が悪い。

目的地の我が家についても会話はない。着替えに行った諸伏景光を横目にソファに腰を下ろす。

不機嫌というか怒ってるなあれは。何に怒ってるのか不明だがあの人怒ると怖いから嫌だな。

目を閉じながら深いため息をつく。目を開けるのが面倒くさいというほどに脱力した。

もう全てを放棄して眠りたい、だがその前に着替えよう。そう思って目を開けたら目の前に仁王立ちした諸伏景光がいた。

「うわっ」と声が出て体がビクついた。反射的に逃げようとしたが両肩を抑えられてソファにガッツリ固定された。

尋問コース真っしぐらじゃないですか、やだー。

普段絶対しないような絶対零度の視線を向けられる。いやもう、マジで怖いんだけど。殺すならさっさと殺せ。

「…さっきの奴、誰だ」

独占欲強めの彼氏が言ってそうなセリフだなと思ったが此方の方が言葉の重みが強い。

「最近知り合った人」本当にただそれだけの人だ。別に隠すことなんて何もない。やましいことなんて何もしてないし。

「口説かれてたけど、なんて答えるつもりだったの」

口説かれていたというよりあれはハニトラだから、分かってて本気にするわけないだろ。

「もちろんNOと答えるつもりでしたよ」

沈黙が流れた。無駄に長く感じられたそれが破られたのは彼が深々とため息をつき「よかった」と声を発したからだ。

「まだ、誰にも渡さない」と口にされた時ゾクッとした。怖いと感じたのは気のせいではないのだろう。

「…私は物じゃないんだけど」と返したら「知ってる、でも渡さない」とにっこり笑って言われた。釣られて苦笑いを返すが笑えない冗談だ。

この人、子供の頃と同じ顔して笑ってるんだぜ？【約束】結んだ時と同じ顔。笑ってるのに笑ってない、未だに狂気健在とかマジで笑えない案件だ。