正義で君を救えるか［加藤春］

犯人を知る男 1 ページ45

夢主side

神戸)どうだった。

取調室から出ると、神戸さんが突っ立っていた
聞かれた質問に首を横に振る

『犯人と一致してなかったわ。また犯人を見失った』

奥を探っても犯人が見つからない
山口家兄が何処で何をしてるか経路を探っても、誰も耳にも目にもしてない

両親が殺害されたあの事件を事故になった事と何か繋がってるんじゃないか

『私にメールを送った相手は取り調べた男と間違ってなかった。けれど犯人じゃかった。きっと私に送ったのは、彼のメールアカウントを乗っ取った人に違いない』

神戸)だと思って、そのメールサイトを管理するIT企業に問わせてみた。社員を調べた結果、山口廉と学生時代から友人関係を持っていた男を特定した。それがこの資料だ

神戸さん。知ってたんだ
じゃあ何で取り調べなんてさせたの…

『…、清原 凛。って男ですか？』

神戸)そいつなら山口の事をよく知ってるだろう。だがこの事件はあまり深堀するものじゃないのは分かっておけ。Aには危険すぎる捜査なんだ本当なら

『神戸さんは何故そう言いきれるんですか。それとも、何となく私と同様に想像出来てるのじゃないですか』

犯人は尋常じゃない
事件を事故と置き換える力を持っていて、どう個人を調べ上げても見つからないようにしている
そして琴さんまで犠牲にさせてしまった

犯人は1人じゃ出来ない犯行だ

神戸)そうだな。強いて言うなら、犯人は1人じゃないって事くらいだ。…

あ、同じこと考えてたんだ
流石神戸さん。。

神戸)早速だが、明日の夕方に清原を尾行して署に向かわせる。

『全部洗いざらいにさせるんですね』

何としてでも全部吐いてもらおう
そうすれば…犯人に近づけるんだから

神戸)ところで加藤警部補にはバレたのか。

『っ、！』

加藤 と聞くと手が止まった
目を合わせることすら難しいと感じてしまって、近づく事さえ出来なかった

『…バレたと言うより、もうバレていいかなって』

神戸)諦めが早いな

『仕方ないですよ。加藤さんは察しが早いんですから、私の悩みだってきっと全部知ってます。でも私は、琴さんのようになって欲しくない。私は私のやり方で、加藤さんを守ります』

危険なのは分かってる
けれどずっと追い求めてたんだ、この事件を

自分の仕事じゃないのは分かってる。けれど、この操作から逃げたくない
必ず両親を殺害した犯人を捕まえたい

どうか見つかりますように

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