【ツイステ】彼が戻ってきた。 (ページ13)

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１３.Queen of roses Ⅰ ページ13

・リドルside

監督生が気を利かして居なくなったあと、ボクは目の前に座るAに目を向ける。

容姿が以前とはかけ離れ、僕と同じだった赤い髪の毛は白く染まり、黄金に輝いていた瞳も今では墨を被ったかのように真っ黒だ。

彼が自慢だと言って微笑んでいたものは、何一つ残っていない。

それは全て、ボクのせい______。

.

彼と最初に出会ったのは、ボクが寮長になったばかりのときだ。

_「あ、君がローズハートくん？」

「そうですが、何か。」

教室から出て話しかけられ、ボクは少し警戒しつつも振り向いた。

今まで、知らない人に話しかけられたことは多々あるが、それも全て半分以上が冷やかしだ。

お前は本当に寮長として相応しいのかやらなんやら言われ、何度そのことに怒りを覚えたかはっきりと覚えている。

ただ、後ろを振り向いた瞬間少し…というか結構驚いた。

見た目が、今まで見たことがないほどに美しかったのだ。

ボクと同じなのに違うように見える赤髪に、日光を知らないような色の白い肌。
そして、今まで見たことがない黄金の瞳。

夜空の星よりも輝く瞳に、この人は住む世界が違うのかもしれないと思った。

_「……んで、聞いてる？」

「え。」

…どうしよう、全く聞いてなかった。

金色の瞳をまじまじと見ていたせいか、話は耳を通り過ぎてそのままどこかに行ってしまったように感じる。

こんなこと今まで経験して来なかったからか、背中に嫌な汗をじっとりとかきはじめた。

_「ははは！お前聞いてなかっただろ？

1年で寮長になったって聞いたからすごい厳しいのかと思ったら、結構抜けてんのな。

思ったよりも人間っぽくて良かったよ、話してる時に首はねられたらどうしようかと思ってた。」

楽しそうに話すその人の言葉の一つ一つには、悪意なんて一切入ってなくて、何故だかとても先程まで考えていたことが馬鹿らしくなった。

あぁ、この人は信じられる。

なんて、昔の自分には考えられないことを思って。

「…あの、名前聞いても良いですか」

きっとこの人は先輩だ。

そう思ったから敬語を使った。

「…俺の名前聞くなんて、お前結構物好きなのな。

俺はA・ハッターだ。

宜しく、ローズハート。」

彼は、そう言って笑った。