９.azu-ru・a-syengurotto ページ9
ヴィル｢ほらA、部活動の時間よ｣
｢…態々ありがとうございます、ヴィル先輩｣
スっと真顔で教室から出ると、そのままラギーに軽く会釈をしてヴィル先輩のあとを着いていく。
あくまで真面目くんを装わないと…急に別人になったら色々とまずいだろう。
｢…ヴィル先輩、もう良いですかね｣ｺｿ
ヴィル｢ｯ……そうね、それより顔近づけるの辞めてちょうだい。
子ジャガが移りそうだわ｣
｢大丈夫です。ヴィル先輩は何しても綺麗なので｣
うん、今日もヴィル先輩は可愛い。
キューティクルという言葉に収まらないほどの可愛さ。
人通りが少ない廊下を歩いていると、後ろからグィッと肩を掴まれた。
_｢少し、宜しいでしょうか｣
ーーーーーーー
ーーー
ヴィル｢アタシ達だって暇じゃないのよ。
手短に済ませて頂戴｣
アズール｢はい。
では、単刀直入に言うと…ジェイドとフロイドを知りませんか？｣
その問いに、ん？と首を傾げる。
先程まで元気に突っかかってきたが、その後の行方が分からないのだろうか。
チラリとヴィル先輩を見ると、ヴィル先輩は難しい顔でアズール先輩の顔を見つめていた。
…また、その顔だ。
ヴィル｢少し前までは一緒に話したわ。
それだけよ。何が言いたいのか分からないのだけど｣
アズール｢おや…そうでしたか｣
アズール先輩がニヤリと怪しい笑みを浮かべる。
アズール｢…でも貴方とフロイドとジェイドが話していたという目撃情報があるのですが…｣
ヴィル｢…｣
アズール｢…何を、していたのです？｣
ヴィル先輩は真顔でじっとアズールの顔を見つめ、アズール先輩はニヤリと口角を上げて私とヴィル先輩を見た。
｢…絡まれてました｣
アズール｢は？｣
｢だから、あなたのところの双子に絡まれてました。
肩をぶつけただけで凄く怒ってきて、ちゃんと謝ったのに腕を捻られて、腕に痣が出来ました。
そこをヴィル先輩に助けて頂いたんです｣
そうやって青く腫れた腕を見せれば、アズール先輩が息を呑んだのが分かる。
ヴィル先輩がなにをしたのかは知らないけど…ヴィル先輩の難しい顔は見たくない。
_｢あれぇ？アズールー？｣
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作者名：いのさき。 | 作成日時：2020年10月4日 12時
