4.ragi-・butti ページ4
「……なんですか」
ヴィル先輩には、記憶が戻る前は常に静かで他人に興味がない様子だったと言われていたので、あくまでその姿を装う。
てかこの認識阻害丸メガネ大丈夫かな…。
ラギー「いや、監督生くんにこれを渡して欲しいと言われたんで。」
ラギー先輩から渡された紙袋の中には、可愛いカップケーキが入っていた。
やっば。毒とか入ってんのかな。
チラリとラギー先輩を見ると、こっちを羨むような瞳をしていた。嫉妬が混じった、そんな瞳。
背筋がぞくりと震えた。
「いらないです。」
ラギー「は!?」
「だから、いらないと言っているんです。
僕他人が作ったもの食べれないんで。」
怒りを顕にしそうなラギー先輩を、冷めた目で見つめる。
ラギー「あんた、最低ッスね。」
そう一言だけ言って、紙袋を持って帰っていくラギー先輩に今度はこっちが怒りそうになった。
「それはあんただろ」ボソッ
あれだけ話したのに。
笑いあったのに。
いつでも悩みがあったら言ってくださいとか言ってたくせに。
手のひら返してきてさ。
あんたこそ巫山戯んなよ。
ラギーの耳がピクリと動いた。
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作者名:いのさき。 | 作成日時:2020年10月4日 12時