１８.ru-ku・hanto ページ18
｢……トリックスター…？｣
ルーク｢？私はなにか間違ったことを言ったかな｣
ルーク先輩はそう言って微笑むと、そのまま私を抱きしめた。
…？？…これはどう言った状況なんだろう…。
｢…あの？…｣
ルーク｢君が
君の見た目が別人になろうとも、狩人の目は誤魔化せないさ。｣
そう言って満足そうに微笑むルーク先輩に、私も思わず嬉しくなって笑う。
そうか。
いくら大切な友人たちが私のことを忘れたって、私のことを覚えていてくれた人はいる。
それだけで、良いじゃないか。
忘れるなら忘れれば良い。
きっとそれだけの仲だったんだ。
でも、ずっと覚えていてくれて、私のことを心配してくださった人には
ちゃんと態度で返さなきゃならない筈だ。
心を挫けている場合ではない。
ルーク｢…君はやはり美しいね｣
｢あ、この見た目のことですか？
人生勝ち組の顔面ですよね。運動も全然疲れないし教科書開いただけで問題の答えが分かるんですよ。｣
これは本当に私なのかと疑うほどの出来の良さだ。
やはり人生ウルトライージーモードなるものはなんだかんだ言って楽しい。
ルーク｢私が言ったのは、君の心のことさ！｣
｢心……？｣
ルーク｢ボーテ！！何処までも真っ直ぐで、純粋で美しい。
…ヴィルの言った通りだ。ﾎﾞｿ｣
グリム｢……お前ら、いつまで抱き合ってるんだゾ？｣
｢あ、すいません｣
ルーク｢いや、抱きしめたのは私だからね！
これ以上やるとヴィルに怒られそうだ。部屋まで送ろう。｣
ーーーーーー
ーー
ＮＯside
ルーク｢彼女は本当に忘れているようだね｣
ヴィル｢えぇ、そうみたいね｣
ルークは窓の外を眺め、ヴィルは紅茶を口へ運ぶ。
その雰囲気はどこか現実とはかけ離れていて、そこの空間に入ろうとするものは誰もいない。
ヴィル｢アタシはあの子が幸せならそれで良いの。
その為に_________________。｣
ルーク｢彼女も、君も、少し溜め込み過ぎているように感じるけどね｣
ヴィル｢良いのよ、アタシは。
どうなろうとも、____あの子がまた心から笑えるなら。｣
ルーク｢…そうだね…｣
真実が明らかになるまで、あともう少し___。
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作者名：いのさき。 | 作成日時：2020年10月4日 12時
