11 ページ11
✱
｢ああ、お前の家に届いたのは普通のオートマタじゃなくて、新しく開発された恋愛用のオートマタだよ。｣
そんなグルッペンの言葉に、私はまだ少し痛む頭を抑える。
ゾムが看病してくれたお陰か、1日も経てば熱はすっかり下がっていた。
｢……そんなの、また問題を増やすだけじゃ…｣
｢なに、そんな深刻なものではない。いずれ結婚も認められるようになるだろうな。｣
｢最悪…｣
｢対物性愛はそこまでマイノリティではないだろ｣
｢…別に対物性愛を否定している訳じゃないし、オートマタは対物の常軌を逸してるでしょ。私は人間とほぼ変わらない、人間によって作られたものとの恋愛が問題だって言ってるんだけど｣
長い付き合いになるが、グルッペンと合わないと思う点はいくつかある。恋愛観もその一つだ。
｢生殖行為が伴わなくとも、例え相手に意思がなくとも恋はするさ。｣
｢そんなの分かってるけど…｣
私はもっと、倫理的な話をしたかったんだけど。グルッペンと口論をすると無駄に長くなるのが目に見えてるので、そこで無理やり話を終わらせる。
｢…もう口論はいいよ。それよりも、恋愛用のオートマタってことは 私のことが好きって前提で言動をとるってこと？｣
｢まあ、平たく言えばそうだな。でも相手の脈や目の動きを見て行動するから無理矢理何かをする とかはないし、相手の警戒が解けるまでは、目立った行動は見られないはずだ。｣
これで疑問のすべての合点が行った。他のオートマタよりも表情が豊かなのも、無意味なコミュニケーションをとるのも。…昨日のキスも。
それにしたって、上司は敢えて黙っていたんだろうけどこれから如何したものか。生憎私はゾムと恋愛する気なんて全くない。…いや、おそらく仕事が終わればゾムも引き取られるだろう。ならば割り切って、記事を盛り上げるために行動するか。私は仕方ない と溜息をついた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 153人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ヨリ(プロフ) - まきさん» ありがとうございます💖頑張ります💖 (2023年2月12日 22時) (
レス) id: c190102040 (このIDを非表示/違反報告)
ヨリ(プロフ) - けんまおし1016さん» ﾋｮｴ〜‼️恐縮ですありがとうございます‼️頑張ります✊🏻 (2023年2月12日 22時) (レス) id: c190102040 (このIDを非表示/違反報告)
まき - 更新頑張ってください！ (2023年2月12日 21時) (レス) id: 57de660b93 (このIDを非表示/違反報告)
けんまおし1016(プロフ) - オートマターかっこいいですね!!人外ものでもこんなきちんとかけるなんてすごいですね!これからも更新頑張ってください! (2023年2月12日 9時) (レス) @page15 id: 92260459e9 (このIDを非表示/違反報告)
ヨリ(プロフ) - 弦さん» めちゃくちゃ気付くのに遅れましたが返信失礼致します🙌🏻大変嬉しい言葉ありがとうございます~🥲人外モノはあまり書いたことがなく試行錯誤で書いているのでとても嬉しいです…🤍 (2023年2月7日 23時) (レス) id: 7803777125 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
