Ｓ愛。。[名前変換オリジナル]

＊４３話＊ ページ43

夏木side





夏木「っ…！！」




俺はあの瞬間、確かに怒りが芽生えた。





自分の犬がほかの奴に汚されたあの瞬間。





しかも相手は…Aが気のある先輩。




Aは…明らかに顔を赤らめて動揺していたが…




その顔からは喜びというのも溢れている。





気に食わない。





そう。





俺があの時、Aと隣の席になった時も俺は確かにそう言った。




俺を見て震えるAを見て…




俺は気に食わないと感じたんだ。




俺はあの時からずっといい男になると決めて猫かぶりしてきた。




でも…Aを前にするとやっぱりできなかった。




俺は心の底からAを手に入れたいと。





ずっとずっと思ってるんだ。






千世「ほらな。空。あいつはどんな男にも平気でついてく尻軽女だぜ？」





そう隣で言う千世を見る俺。





尻軽女…？




確かにそうかもしれない。




あいつは俺を無視してのこのこと男と出かけた。




今だってほかの男にキスされて顔を真っ赤にしている。




あいつはまだご主人様に忠実な犬じゃなかった。









それだけだ。




千世「もうあんな奴に絡むのはやめてまた俺と一緒に…」




夏木「それは断る。」






千世「…は？」




夏木「俺はあいつを野良犬にもさせないしほかの奴の犬にもさせねぇ。」





俺はAを見て言う。





千世「おいおい空？何言って…」





夏木「あいつは俺の犬だ。手放したりなんかしねぇよ。」





俺はそう言うとAたちに向かって歩き出した。





二人は何か話しているようだった。




顔を赤らめたままのA。




いつのまにかあの先輩も照れたようにほんのり頬が赤く染まっている。





さぁ。




これで恋人ごっこはおしまいだ。





今から俺が最高のフィナーレにしてやるからな…！！

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