ホットココアをあなたに (ページ42)

今日:11 hit、昨日:0 hit、合計:32,799 hit

42話ページ42

やばい。完全に奏さんのペースだ。

さっきから完璧に女子会みたいになってる。

「それでね、A。うちの旦那あんたの報道見てなんて言ったと思う？」

『えー、健さんのことだから、いいんじゃないとか言ってそう。』

「大正解！まじで信じられないんだけど。もっと心配するとかあるでしょって怒ったら、Aちゃんと結構お似合いだと思うんだけどとか言うんだよ。」

健さんっていう人が旦那さんなのか。味方になってくれそうだし、覚えておこう。

「うちの旦那ほんとに呑気で嫌になる。」

『いいじゃん。癒し系じゃん。』

癒し系がいいのか。
なるほど。

『結弦くん？どうかした？』

「あ、ううん。楽しそうだなと思って。」

「そうだ。私、羽生さんの選曲だけはさすがだなと思うよ。」

ん？だけは？

『ごめん。奏ね、悪気はないの。』

「え、めっちゃほめてるじゃん。だって他のはほめようがないもん。専門じゃないから。」

あ、そういうことか。

「Aにラフマ弾かせるのは天才。ラフマの2台。まじですごいよね。」

『嬉しい。ありがと。』

「あとは献呈とかもいいんじゃない。」

『そうだね。あとさ、ラフマのさ、パガニーニの主題の18変奏とかいいかなって。』

何を言ってるのかよくわからないけど、勉強になりそうな会話だ。

「あー、あれは一人で弾いてもいいけど、オケの音あったほうがいいね。あ、でも弦があればいっか。やってみようよ。」

『え、いいの。ありがと。行こ。結弦くんにも聞いてほしい。すっごくいい曲なの。』

「うん。わかった。」

ーあなたsideー

「オケ版のところで入るから。」

『了解。』

ん？奏、すごく音が良くなった気がする。

旦那さんと仲良く楽しく過ごしてるんだな。

ー羽生sideー

すごく楽しそう。

小さいころからの知り合いだからか、すごく息がぴったり。

あれ、もう終わり？この曲3分弱ぐらいしかないのか。

アイスショーに使えそう。

「今のやつもう一回やってもらってもいい？」

『あ、いいよ。録音する？』

「今回のアイスショーはもう間に合わないけど、次のやつで使いたいなと思って。」

ーあなたsideー

結弦くんが気に入ってくれてうれしい。

誰かのために弾くって楽しいことかも。

結弦くんのおかげで前よりもピアノが好きになった気がする。