Scarlet Destiny～アズカバンの囚人〜IV【ハリーポッター】 (ページ9)

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ハ｢お父さん、どこなの？｣

向こうでは、微かな銀色の光がふっと消え、私が倒れ、ハリーが私とシリウスを吸魂鬼(ディメンター)から守護霊(パトローナス)で守っていた

『…早く！』

私とハリーの体は恐怖と興奮が貫いていた。しかし、誰も現れなかった

『もしかして私達、お父さん達を見たんじゃなくて…』

ハ｢自分自身を見たんだ！__________｣

私とハリーはお互い見合って茂みの影から飛び出し、杖を取り出した

｢『エクスペクト･パトローナム!(守護霊よ来たれ)』｣

私とハリーが叫ぶと、杖の先からぼんやりとした霞(かすみ)ではなく、目も眩(くら)むほどまぶしい、銀色の動物がハリーと私の杖から一匹づつ吹き出した

私達は目を細めて、なんの動物なのか見ようとした。馬と大きな鳥のような動物だ。馬は暗い湖の面(おも)を、向こう岸へと音もなく疾走(しっそう)していく

頭を下げ、向こうにいる私達に群がっている吸魂鬼に向かって突進していき、もう一匹の大きな鳥のような動物は上空に漂っている吸魂鬼に向かって突進して行くと吸魂鬼が後ずさりしていき

散り散りになり、暗闇の中に退却していき…いなくなった

私とハリーは守護霊(パトローナス)に魅入っていると二匹が向きを変え、静かな水面を渡り、私とハリーの方に緩やかに近づいてきた

目の前に来た動物は鳥ではなかった_________蝙蝠(コウモリ)だ。ハリーの方には馬ではなく牡鹿(おじか)だ

それらは、岸辺で立ち止まった。大きな銀色の目で私とハリーをじっと見つめる牡鹿と蝙蝠は、柔らかな水辺の土に、蹄(ひづめ)の跡さえも残してなく、水面の上で羽ばたいている蝙蝠の下の水面には小さな揺れも起きてなかった