皮膚を剥ぐ【伏黒恵】 (ページ1)

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パァン、大きな音が暗い部屋に響いた

争う声が飛び交っていた場に沈黙が訪れる

『…………いった、、』

「ふざけないでよ！！私はあんたのなんなのよ！！！」

『うーん……財布？』

「なっ、、！！最低！！」

赤くなった頬を片手で触る男の胸ぐらを強く掴み歯を食いしばる女

なんと滑稽なことだろう、彼は質問に対する本音を言っただけに過ぎないのに

『はぁ、うるさ。恵に手当てと抱きしめてもらお』

「恵って…他にも女いるわけ！？信じられない！！！」

『加えて化粧クソ濃いし香水臭いし……お前いらない』

タクシー呼ぼ、そう呟いた瞬間彼の身体が壁に打ち付けられ聞くに耐えない音が鳴った

「ほんっと信じられない！！出ていってよ！！あんたなんか私の人生に必要ないんだから！！！！」

『………』

彼は目を見開き数秒固まったあと、ふらふらと扉に向かって行った

A必要ないって

A殴られて放り出された

A帰ったら会いたい

『そーしんかんりょー、これで抱いてくれるな』

ははは、最高の気分。そう言って笑った彼の顔は酷く歪んでいた