13：Ritorno ページ28
□□□□□□
樹達は無事に戻ってこられるだろうか。
高地は朝、2人を送り出してからその心配しかしていなかった。子供達が本を読んでと集まっても、ぼーっとしすぎて子供達に心配されたのだ。1番年長の子にチョコレートを手渡されて、たまにはゆっくり休んで、と言われてしまった。子供達はせっせと色々な手伝いをしてくれた。北斗に色々聞きながら働いてくれる皆を見て少しだけ不安感が除かれたような気がした。
だが、高地以上に心配がられたのは北斗の方だろう。いつもはしない砂糖と塩の間違えや、床を拭くつもりが間違えて窓を拭いていたり。小さいミスではあるが、いつもなんでも完璧にこなしてしまう北斗だからこそ、少し心配されていた。北斗も北斗なりに2人のことを心配しているのだろうと高地は感じていた。
眠れなくて、少し夜風にあたりに行こうと外へ出た時だった。前方から何かを抱えた人が歩いて来たのだ。だが、途中で身長や体格、歩き方でその前方から歩いて来た人がジェシーでは無いか？と思い、急いでその人へ駆け寄った。
｢…っ、あ…？｣
｢っ！ジェシー！！｣
案の定、ジェシーだった。ただ、樹は抱き抱えられていたが、もう1人は担がれていた。誰かは分からないが怪我をしていたので、空いていた孤児院の広めの客室へ寝かせた。
｢どうしたの、高地、って、樹と、え、しんた、ろう…？？？？｣
夜遅くに外に出ていた高地を見たたいがが初めて孤児院に顔を出したのだ。ただ、樹としんたろうを見たたいがはかすり傷だらけのジェシーの胸ぐらを掴んでいた。
｢…ジェシー。これ、ジェシーがやったわけ？なあ、答えろよ！！｣
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 61人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：星屑。 | 作成日時：2020年11月28日 3時
