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drown049 ページ3

───


何かを伝えようと表情を動かしているが、やはり私にその意図は汲み取れなかった。



「向坂、さっきの話聞こえてたか?」



後ろから顔を出した鰐間弟。
私がそれに首を横に振ると、鰐間兄はまたもやくわっ!と表情を変えた。



「聞こえてないならそれでいい。───とお兄は言っている!」
「そ、そうですか……」



兄の方が読めないのは当たり前として、この思うと計助の方も何を考えているのかよく分からない。二人を先頭にしてチームWはロッカールームを後にする。


胸のゾワゾワとしたものが少しづつ大きくなる。

なにか、どこかでいけないことが起こっている気がしてたまらなかったが、今はそれどころでは無い。交換をし終えて直ぐに次の部屋へと向かった。



「お、Aちゃんじゃん!!」
「ほんとだ!Aっちお疲れぃ!」
「蜂楽割り込んでくんな!!!」



次の部屋、チームZのロッカールームへと向かう途中にメンバーの人たちとすれ違う。声をかけてくれた今村さんと彼を押しのけるようにやってきた蜂楽さんたち2人に「お疲れ様です」と言って頭を下げた。

すれ違うメンバーに挨拶をしていれば、1番後ろに久遠さんが歩いている。少し駆け足になって彼の元へと向かった。



「久遠さんお疲れ様です、調子いいですね」
「えっ?あぁ、うん」
「残りも頑張ってください」



そう声をかけてロッカールームに向かう。
どこか意識が遠くへ行っていた彼に、違和感を覚えながら。



「あっやば試合始まる」



ハッと気付いて急ぎ足になる。

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作者名:shiori | 作成日時:2024年1月20日 19時

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