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drown066 ページ20

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「人の懐に入り込みすぎないように、いい?」



何となく言いたいことは理解した。
節度ある距離。節度ある、平等で公平な対応。それが今必要なもの。


あくまでも利害の一致したビジネス。
日本を世界一にしたいという我々側の目標と、世界一のストライカーになりたいという選手たちの目標が同じだけの関係。

頑張っているのはここにいる誰か個人の為ではなく、世界一の可能性を秘めた選手のため。



「分かるならいいけどさ。……Aちゃんにはもう少し危機感持って欲しいんだよね」
「危機感?今の自分に足りないものがある、とか?」
「あ〜、そういう危機感じゃないよ馬鹿」



絵心さん罵倒躊躇いなくなってきたよな、慣れてきたわけだけど。


しかし、危機感とはなんだろう。
ここに来てから知識的にも思考も少しづつではあるが身についてきたとは思うし、絵心さんの言う危機感がそれでは無いとなると他に何があるんだろうか。

首を傾げれば絵心さんは顔を覆ってため息をついた。



「アンリちゃんみたいにずっと裏にいる訳じゃない、なんなら俺たちの中で1番選手と接触が多いのは君だ。しかも彼らと同年代、ここまでは分かるよね」
「え、はい……」
「うん。こちらとしてもご両親から大切な娘さんを預かってるんだから、それなりの責任を負う義務がある」



つまり、どういうことだろう。
仲良くしすぎるな、と言いたいことは分かるがそれがなんに繋がるのかまでは理解できなかった。理解力不足、もしくは考え方が悪いのか。

そんな頭を見透かしたのか絵心さんは再びため息をついた。

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作者名:shiori | 作成日時:2024年1月20日 19時

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