開戦 ページ2
me side
『──フッ』
「うわっ、なんだ!?」
「1人突っ込んでくるぞ!構わず進め!!」
『──雑魚が』
戦場の先端を走り、後方に続くコネシマたちへと道を拓く。連合軍とあって人数の多い歩兵ではあるが、残念ながら私の敵ではない。
敵軍の不意を着く形で始まったこの戦争。果たして効果はあったかどうかは戦争と無縁な私には分からない。が、士気の高まりや団結力といったものはなく、まだ完全な部隊として出来上がってはいないようだ。
『──ロボロ』
rb「繋がっとるよ」
『監視カメラのハッキングは済んだか?』
rb「それなら完了しとる。今どこや」
『敵陣地から見て左手側』
rb「...おっけ、そのまま森ん中入ってええで」
私用にと支給された小型のインカム。
中継地点にある電波を介してやり取りすることで、遠く離れたロボロとも連絡が取れる。走る足を止めずに森へと入り、見えた城壁の壁を登る。
遥か後ろで聞こえる戦闘音。
馬の嘶き、人の声。
それらから逃げるように城の内部へと入り、いつしか通った城内の道を歩く。途中で会ったメイドたちは戦争に夢中で、堂々と歩き回る私に気にも止めない。中には会釈してくる者もいて、この国を支える幹部の薄っぺらさが垣間見えた。
人通りの消えた廊下。ロボロの指示の下、極力メイド以外に出会わないようある場所へと足を運ぶ。
『...着いたぞ』
rb「了解、後は頼んだで」
『...ああ』
インカムを切り、忍ばせたナイフに手を伸ばす。
いつでも取り出せるようになっていることを確認して、ガラガラと立て付けの悪い扉を開けた。
『...こんにちは』
「.....あら、お久しぶりね」
『はい。その節はお世話になりました』
「うふふ。まさかこんな形で再会するなんて思いもよらなかったわ」
『私もまさか貴女だとは思いませんでした。
──兵器開発の開発責任者が、司書の方とは』
潜入した時に訪れた時と変わらない、にこやかで優しい雰囲気の微笑み。
決定的に違う所は、光の入らない死んだ目と、
──右手に宿る、無機物の輝き。
「あの時は男の子かと思っていたけれど...よくよく見たら女の子なのね」
『猫を被るのは得意なので』
「ふふ、素晴らしい演技だったわ。...さしずめ狙いは新兵器の破壊、かしら?」
『.....』
秘密裏に与えられた、私の本当の役目。
os「Aちゃんの任務は、兵器の破壊。.....戦争が過激化する前に、必ず破壊して欲しいめう」
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(。・ω・。) - 子れは神ですか?神ですね(自己解決)ありがとうごさいますm(_ _)m (2021年12月29日 10時) (レス) @page38 id: 564be5b250 (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - うおうおうおうおうおうおう……ッッッ(混乱)なんだこれなんだこれ…!ずっと更新待ち望んで見るぞーって思ったらめっちゃ一気に話出てるし尊いしgr氏の獣みすきだし、夢主おめでとうだし……ッッ!!ここが天国ですね(昇天) (2021年1月4日 1時) (レス) id: c248a8f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
Toki(プロフ) - おぼろどうふさん» ありがとうございますっっ! (2020年11月23日 0時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
おぼろどうふ(プロフ) - おかえりなさぁぁい!!待ってました! (2020年11月21日 19時) (レス) id: c248a8f0c7 (このIDを非表示/違反報告)
すみれいん(プロフ) - Tokiさん» 困惑と思惑4、の最後の言葉、すごい鳥肌が立ちました。いい意味です!もう、最高ですか… (2020年9月30日 20時) (レス) id: a715f4eb82 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:Toki | 作成日時:2020年7月24日 21時