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tn side
グルッペン･フューラーという男について、知っていることは意外と少ない。
有力貴族の長男として生まれ、聡明な頭と好奇心旺盛な性格から将来有望視されていた、いわゆる"お坊ちゃま"。然しやはりと言っていい性分か、16で起こった国の内乱に乗じて革命軍に参加しすぐさま頭角を現す。その後自ら王政を討ちw国を建設。後は知っての通り、持ち前のカリスマ性を生かして国を従え、強力な軍事国家を造り上げた。大の戦争好きにして超の付く甘党。書類をサボっては俺に怒られるという事を繰り返す問題児の1人ではあるが、真面目にやれば素晴らしい人物なのだ。真面目にやれば。
時折窓の外を見つめては物悲しげな表情を浮かべる狂った戦争屋は、面白そうな人間や事柄に対して須らく興味を持つ。一度気になるとうきうきしながら目を輝かせる様子は、初めて会った時と何ら変わらぬ眼差しで。ああ、本当に物好きなんだな。そんな印象を今も抱いている。中々に面倒な性格をしているが、揺るがない忠誠を誓うほどには尊敬しているし頼りにもしているのだ。たまにふらっとケーキを買いに城下に行くのには頭を抱えるが。
zm｢…グルッペン、おる？｣
｢ゾムか。グルさんなら今総統室におるはずやで｣
zm｢分かった｣
｢俺もこの後用事あるし一緒に行くわ｣
隣を歩きながら総統室に向かう。書類と睨めっこしていたらしい彼は、扉を開けると表情を柔らげて俺たちを出迎えた。
gr｢お、帰ったか。潜入捜査お疲れ様だったな｣
zm｢おん。書類は後で書くから待っとってな｣
後半の俺に向けられた言葉に頷き、要件を促す。するとぎこちない仕草でパーカーのポケットから何かを取り出したゾムは、それをグルさんへと投げた。俯きごにょごにょと口を濁すゾムは、目の前のグルさんの様子に気が付かない。
zm｢実はな、任務の時にな、同じように大臣狙っとった奴がいてな。俺そいつにタイマンで負けたん。それくらい強かってん。でな、去り際にそれ渡されたんよ。グルッペンに渡せって。それでな、｣
gr｢ゾム｣
ゾムの言葉を遮るように名を呼んだ声に、2人して身を竦める。
zm｢…な、なんや｣
gr｢…｣
一言も話さなくなったグルさんをちらりと見ると、ゾムから受け取った物を強く握りしめ、何かに耐えるような表情を浮かべていた。グルさん、そっと名前を呼べば、バッと顔を上げキラキラとした目でゾムを見つめる。
その表情は、欲しいものを手に入れた時の子供そのものだった。
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
