邂逅 ページ6
me side
──愉しい。
振り返り笑顔でナイフをはじき飛ばしたあと、殺気全開にして手刀をかましてきたパーカー男から離れすぐさま突っ込んでいく。姿勢を低くして蹴りを逃れ、そのままみぞおちを狙って拳を出す。身体を引いてそれを避けた男は再びナイフを構え蹴りを混ぜながら攻撃してくる。全ての動作が速い。めちゃくちゃ速い。何よりも迷いがなく隙もない。こういった手応えのある相手は久しぶりだ。身体の芯がもっと、もっとと戦いを求める。ナイフを突き出してきた瞬間にその腕を掴みぐい、と此方に引っ張る。バランスを崩した男に足払いを掛け転ばせ、反動を使って腕をひねり揚げた。胸を強く打ち付けたのだろう。｢カハッ…｣と空気の漏れる音がする。ゴリィ、と人体から鳴ってはいけない音が聞こえた。まあ脱臼程度だろう、後で勝手にはめてくれ。
｢っ…、なん、やお前｣
『うーん…とりあえずいきなりナイフを向けてきたお兄さんが悪いと思うんだけど…。まあ君には仕事の邪魔をされたんだ、僕の報酬がなくな...ん？』
今回の"依頼"は、α国の陸軍大臣の暗殺。黒い噂が耐えない大臣を暗殺して欲しいというもので、報酬はそこそこの額。別に依頼主が死体確認やらをする訳が無いので、結果報告だけすれば金は貰える。だがしかしおそらく大臣はこの男にα国の情報、もしくは自身の身の話を売った。つまりは依頼主の情報を多少は掴んでいるわけで、それは少し都合が悪い。大臣を代わりに殺してくれたことに感謝はするが、余計な詮索は願い下げだ。消しておいた方が身のためだろう…と考えてふと押さえつけている腕を見ると、｢w｣と彫られた金に縁取られた四角いバッチを見つける。
『w…お兄さんもしかして、w国のお抱えさん？』
｢…｣
『あ、否定しないってことは合ってるんだ』
｢…それを知ってどうすんのや｣
『...』
w国は最近のし上がってきた軍事国家で、指揮を執る男のカリスマ性が素晴らしいのだとマスターが言っていた気がする。カリスマ性ねぇ…と思いつつ、ひねり揚げていた腕の拘束を解き背中から降りる。突然解放された事に驚いたのだろう、脱臼させられた肩を抑えつつ警戒しながら振り返った男を見て、カフェのように張り付いた笑みを浮かべる。途端に苦虫を潰したような顔をする男に失礼な、と思いつつ口を開く。
『グルッペン･フューラーって、知ってる？』
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
