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me side
『...グルッペン』
gr｢ん？｣
身体を密着させてくる男の名を呼べば、平常より何倍も穏やかな声。若干の幼ささえ感じるその声は、窓からの景色も相まってひどく私を安心させた。
gr｢...A｣
『どうした』
離さないというように抱きしめる力を強めたグルッペン。縋り付くような抱き方をされて身動きが取れなくなる。
『毎日よく頑張ってる。グルッペンは偉いぞ』
呟けば、肩に加わった重み。
肩に乗った頭に手を置いて、光に輝く髪の毛を撫でた。
gr｢くすぐったいゾ｣
『嫌なら頭上げろ』
gr｢...それは嫌だ｣
『わがままな奴』
そのまま過ごすこと数分。
不意に顔を上げたグルッペンが、耳元へと顔を寄せるのがわかった。唇が耳にあたり、擽ったさに身をよじると、逃がさないと言わんばかりに頭を抱えるように固定する腕。低く甘い声が、寄せられた唇から注ぎ込まれる。
gr｢.......好きだ｣
湿った唇が耳から離れるのに比例して、熱を持ち始める自分の頬。固まった私を見て覗き込もうとする幼馴染から顔を背け、早口に呟く。
『イタズラはやめろ。心臓に悪い』
拗ねた態度を取る私と、それを見て笑い声を出す男。
抱き締めていた腕を離し、壁に寄りかかって腕を組むグルッペンは、真剣な瞳で此方を見た。
gr｢俺は本気だゾ？
...お前の心も身体も全て、欲しいと思うくらいには｣
──この男は、狡い。
未だ熱を持つ頬を指先で撫で、柔らかく微笑む姿。
蕩けるような笑みが、私だけに向けられている。
昔と何も変わらない全てが、
全てを失って生きてきた私を慰める。
『...なら、奪ってみろ』
火照った頬は、夏風のせいと誤魔化して。
挑戦的な言葉が出たのは、きっと暑さのせい。
だから、知らない。
｢好き｣と言われて高鳴る心も。
抱き締められた腕が離れていく寂しさも。
微笑みを向けられるのが、擽ったく感じるのも。
目の前の男は、グルッペン･フューラー。
"やる"と言ったら、やる男。
gr｢言ったな？では今から婚約関係を破棄し.....1人の男として、お前のことを狙わせてもらおう｣
言い切った男に迷いはなく。
獲物を狙う鋭い目は、まるで狩りをするときの鷹のよう。
『──愉しみにしてるよ、グルッペン』
グルッペン･フューラー。
それが私の幼馴染。
きっと私は、もう逃げられない。
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
