信頼 ページ39
tn side
不思議な人だと思った。
味方最大の脅威たるゾムでさえ相手にならないほどの実力を持ち、不意打ち以外の傷を追わなかった彼女も、話してみれば普通の人だ。器量がよく有能で、なによりも真面目だった。
｢じゃあ、これ頼んます｣
『了解です』
幹部補佐として働き始めて1ヶ月。最初こそ警戒していたが、テキパキと書類をこなして期限よりも早く提出し、俺の分も手伝ってくれている。いい人だと感じると同時に、消えない疑念が1つ。
｢1つ聞きたいんやけど｣
『なんでしょう』
書類を出しに来たついでと、少しばかり話をする。
｢あの時、グルさんの暗殺に来た時、もしグルさんが"殺しても構わない"と言ったら...あんたはグルさんを殺したんか？｣
ずっと不思議だった。
依頼を受けて仕事をする何でも屋の彼女が、気分ひとつで
例え知り合いだろうと、仕事であれば普通は割り切って殺すのではないかと。
ゾムさえ歯が立たない力を持つ彼女であれば、尚更簡単な依頼だっただろうに。
『...なるほど』
納得の表情で頷く姿に、意味がわからず眉を顰める。
『面白ことを聞きますね、トントンさんは。...確かにあの時、有無を言わさずに殺していれば、私は巨額の富を得、逃亡することが出来たでしょう』
｢なら余計に｣
『でも』
ピシリ。
俺の言葉を咎めるような、強い口調。
『我が一族は、フューラー家に永遠の忠誠を誓った身。そんな我らが、主たる彼の家に逆らうなど決して有り得ない。それに』
ふ、と目元を緩め、何処か遠くを見やる彼女は。
『あいつがいなくては、私は生きてる意味を得られない』
何だかとても。
『それ程までに、グルッペンは特別なんですよ』
──愛おしげだった。
『私がグルッペンを殺すことなど、絶対に有り得ない。グルッペンもそれを分かっているからこそ、あんな
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
