そして、 ページ34
me side
怒涛の一日──と言っても数時間だが──から約30分後。僕が荒らした談話室の修理やら何やらで兵士が出入りする中、僕以外の面々は応接室に引きこもっていた。改めて僕のことを幹部たちに説明すると言っていたグルッペンに着いていく呆けた彼らの顔は、何とも見物で。
『傑作だな、あれは』
｢君何言ってるの？｣
『アホ面かましてた幹部の方々のお顔思い出して』
｢ああ、なるほどね｣
僕はというと、問答無用で医務室に放り込まれた。グルッぺン曰く抉れた手の治療をして貰えと。別にこの程度平気なのだが。
sn｢どんな修行したらこんな傷にも耐えられるようになるの...ほんと有り得ないんだけど｣
『それは褒め言葉？』
sn｢呆れてるんだよ。グルッペンもグルッペンだけど、君も大概過ぎない？｣
そう言いながら、手際よく治療していくしんぺい神。
部分麻酔で感覚は無いが、短時間でテキパキと傷口を縫っていくのを見るのは気持ちよかった。
sn｢はい、終わり｣
『ありがとう』
sn｢こんな無茶苦茶な戦いしてたら身体持たないよ？｣
治療道具を仕舞いながら、僕の心配をしてくれる優しい人。軍医という立場上、僕の傷の付き方に違和感があったのだろう。無茶、と言われれば確かにそうだが、そうだ、とはあまり思わなかった。
『確かに無茶かもしれない。だが、そう思わない』
sn｢どうして？｣
神と書かれた布で顔は見えないが、きっと穏やかな顔をしているんだろう。
『僕の家...近衛兵になることを義務付けられた家系では、死はいつだって親友だった。その親友の元へと誘ってくれる傷や怪我など、僕からすれば親しみしか湧かない最も身近な存在だからですよ』
──鷺を烏と言いくるめる
お前は正しい道を歩むことは許されない。だが、お前が歩いていく道を正当化することも出来ない。A、覚えていなさい。我らユラウグラル家は、主たるフューラー家無くして成り立つことは出来ないのだよ…
父上の言葉が蘇る。
まだ幼かった僕に、家訓とも呼べる信念を教えてくれた。二度と見ることの出来ない穏やかな笑顔が、朧気ながら思い出される。
sn｢…君は、死を恐れないんだね｣
『恐れるも何も、人は死ぬ。遅いか早いかの違いだけだ。ならば"我ら"は、いつか訪れる親友の迎えを待つだけですから』
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
