交渉 ページ33
me side
家柄を捨て、性別を捨て、裏の世界へと足を踏み入れたあの日。いつか来る終わりを夢みて、いつか来る運命を受け入れて。そうやって何度も何度も抗い続けた僕の軌跡は、どうやら間違いではなかった。
何でも屋『リュウ』としてやっていく中で僕が定めたルールは3つ。
ひとつ。必ず依頼人と一度面会し、報酬等の確約を再確認すること。
ふたつ。私情を持ち込まず、任務遂行を最優先に行うこと。
そして──
みっつ。何らかのトラブルにより任務遂行が不可能と鳴った場合、この世界から足を洗うこと。
『僕に"殺されて"くれないか？グルッペン』
これは明らかな私情を挟んだ言葉であり、ターゲットととなるグルッペンに"選択"を問う言葉。返答次第では、3つ目のルールを破る可能性を秘めた、ある意味賭けの一手だった。
gr｢残念だが、まだ"殺される"訳にはいかないゾ｣
間抜けだったアホ面が、挑発に歪む。
謎に肝の据わったこの性格は、昔から変わってはいなかった。
『.....じゃあ任務失敗だね。侵入者として、僕は君に捕えられるのかな？』
両手を上にあげ、降参のポーズを取る。それを見たグルッペンは、形のいい唇を更に歪めた。
gr｢そうだな...お前が俺の元に"戻ってきてくれる"というのであれば、歓迎しよう｣
『...相変わらずだな、グルッぺン』
gr｢お前に言われたくはないゾ、A｣
『...っは、』
懐かしい。一瞬だけ過去に戻ったような、穏やかな会話。どれだけ僕が先を行こうと、どれだけその手を引いて行こうと、結局戻るべき場所は、此処なのだ。
｢やっと戻ってきたな、A｣
『しょうがないから戻ってやったよ、
椅子から立ち上がり、僕へと近づく。怪我をしていない方の手を握り、周りで固まる幹部たちへと顔を向けた。
gr｢紹介するゾ！こいつはA。
俺の幼馴染だ｣
談話室に爆弾が落とされること数秒。
｢｢｢｢はぁぁぁぁ！！？？｣｣｣｣
その場にいた全員が、同じリアクションで驚きを顕にしたのは言うまでもない。
その様子を見て、ケラケラと楽しそうに笑う男がいた事も。
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
