･ ページ30
me side
『...随分なお出迎えで』
｢当たり前やろ。インカム繋いでもゾムとロボロから反応無いねん。あの2人が殺られてるとか思いたなかったけど...｣
『けど？』
｢あんたが1人でここまで来てんのも事実や。…楽しませて貰うで｣
『大層な自信がおありのようで』
｢アンタこそ自信たっぷりに見えますけど？｣
｢ええやんショッピ。これで激弱やったらただ萎えるだけやし｣
｢2人ともいいから殺るで｣
金髪で赤い服の男に、紫色のヘルメット。その後ろから現れた、ニット帽とシャベル。なんと自由で個性豊かなのか。こんなにも奔放とした幹部たちは初めて見た。
『...確認だが、全員幹部か？』
｢そんなこと聞いてどうするんすか。今から殺られる身なのに｣
｢まあまあショッピくん｣
『幹部らしいな。なら...──』
──心置き無く愉しめそうだ
城内だろうと関係なく銃をぶっぱなしてくる金髪と紫ヘルメット。此方の死角からシャベルを振り回すという息の合った連携プレーに翻弄される。個々の力では負けないだろうが、如何せん3対1は分が悪い。
『...っ』
｢へいへいへーいこんくらいでへばってんのかよっ！｣
｢ぅらっっ！！｣
｢背中ががら空きだぜー？｣
背中に感じた殺気から逃れるべく前へと突っ込むと、いつの間に投げたのか目の前にナイフがあった。手の肉が抉れるのも厭わず払い除け、そのまま直進する。抉られる痛みと熱が煩わしいが、この程度どうってことはない。手を負傷したにも関わらず突っ込んでいく僕を見て、驚きのあまり隙のできた金髪の足を引っ掛ける。｢うぉ！？｣と情けない声で転んだ男の首元にナイフを突きつけ、残り2人の動きを止めた。
｢っコネシマさん！？｣｢シッマ！！｣
｢ははっ...まさかナイフを避けずに突っ込んでくるとはな｣
『縫えば治る』
｢そういう問題とちゃうやろ...｣
｢うわ...えっぐ.....｣
『...コネシマ、と言ったか。グルッペン･フューラーは何処だ？』
｢...、｣
目の前の2人に威嚇しながら、ナイフを強く当てる。急に押し黙った様子を見て軽くナイフを引くと、薄い傷口に血が滲んだ。
『...案内しろ。さもなくばこいつの首を掻っ切る』
固まる2人に命令し、顎でクイッと階段を示す。葛藤が渦巻くこと数秒、どちらに主導権を握られているのか分かったのだろう。ニット帽の男が武器を捨て、｢こっちや｣と歩き出した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 432人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
