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me side
『お、酒屋か』
烏が鳴き始める夕方に灯る屋台の光。居酒屋らしき店がぽつぽつと店を開ける中、大通りの端にある酒屋を見つけた。外より少し冷える室温に、色とりどりになるんだ瓶。セラーから覗く赤色は上品で、ワインを主に扱っていることが分かる。
｢いらっしゃい。お兄さん1人かい？｣
店の奥から出てきた主人は愛想がよく、街中と同じようにw国について尋ねれば目を細めながら笑顔で話してくれた。
｢総統さんは若いのによくやってるよ。王政を廃止して国を一から全て建て直したのが元貴族だって話だったからね。しかも武力で押さえつけるだけじゃなく、国民の声もしっかりと聞き入れてくださる…。じゃが、わしが何より目を丸くしたのは、国を建設した時の演説だったかな｣
──本当に、物凄い執念を感じたんだよ。
誰にも負けない、物怖じしない強い国を造り上げるんだって、嬉々とした顔で話すのだもの。後ろに控えていた若造ども…幹部様たちも、嬉しそうな顔でその声を聞いていたのを覚えているよ。
『…お前は何に固執しているんだ』
すっかり暗くなった帰り道、両手に感じる袋の重み。初めて"買い物をした"初々しい時の記憶が、苦い感情とともに甦る。
──あの時、
──今はもう、何も迷うことはないけれど。
『鷹は飢えても穂を摘まず、鷺を烏と言いくるめる…正しいと思った道を突き進む真っ直ぐなお前と、自らを歪めながら正当化していく僕.....』
皮肉に歪む口元は、一体どちらへの嘲笑なのか。
醜い感情は棄てたはずなのに、ふとした瞬間に口に広がる。抱えるものの大きさは違えど、さして変わらない僕らの想い。守るか護るか。その違いを明白にできるほど、僕は出来た人間ではないのかもしれない。
『...明後日は建国記念日らしいな』
言葉を闇に溶かして、頭に思いついた計画を練る。きっとお前は喜んでくれるだろう。根拠の無い確信が心を埋める中、鳴き始めた腹の虫を抑えるべく足を動かした。
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眠る猫 - 私は本当の事を言っただけですよ！！本当に面白くて、更新されてたら真っ先に見に行きますもん！ (2020年6月4日 16時) (
レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - いやいやいや褒めすぎっすよ！思わず顔がにやけましたわありがとうございますっ (2020年6月3日 19時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - ととちゃ。さん» ちゃんとオリジナルフラグ、外れた様ですね！よかったです！！…にしてもこの作品、面白すぎるでしょ！？天才ですか！？もう、好きです！（は？） (2020年6月3日 18時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
ととちゃ。(プロフ) - 眠る猫さん、アドバイスありがとうございます！そう言って頂けるとものすごく嬉しいです！無理せず自分のペースで頑張りたいと思います！ (2020年6月2日 16時) (レス) id: 077d8e943d (このIDを非表示/違反報告)
眠る猫 - あと、この作品をとても楽しみにしながら待っていますので、無理しない程度に更新を頑張って下さいね！ (2020年6月1日 21時) (レス) id: f146e9ce83 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Toki | 作成日時：2020年5月23日 16時
